競技用ライフル装弾として、数々の日本記録及び世界記録を打ち立て、また日本及び世界中において絶大な信頼を得ているフィンランドのラプア社から発売された、待望のハンティング用ライフル装弾、ナテュラリス（銅弾）の販売を開始いたしました。
発売された口径は、6.5x55 Swedish ／ 308Win ／ 30-06SPG ／ 9.3x62の４種類しかありません。弾頭重量も6.5mmは140gr、30calは180gr、9.3mmは270grと各口径に付き１種類しかありません。

何故ラプア社が、これらの口径を選択したのか？言うと、スカンジナビア半島諸国における独特な市場に大きな理由があるのです。このスカンジナビア半島諸国においてはスウェーデンの市場が重要視されており、この国の動向が全てを左右してしまうようです。つまりスウェーデンの市場では、この４種類のみの口径を準備していれば、ほとんどがまかなえてしまうという事なのです。
また、環境問題に対して積極的なスウェーデンでは、ハンティング時に「鉛公害を出さない。弾頭がバラバラになって飛び散らない。必要以上に獲物の肉を傷めも無駄にしない。」と言う考えが強いそうでラプア社は、スウェーデンの動向に合わせナテュラリスを開発し、テスト販売を開始したそうです。

弾頭形状は、ホローポイント弾頭の尖端部にプラスティック製のチップをはめ込んだセミ・ラウンドノーズで後方部はフラットベースです。

[ナテュラリスのカットモデル]

ラプア社の説明では、このプラスティック･チップが弾頭の尖端を拡げ、確実にマッシュルーミング効果を発揮できる。またフラットベースにする事により発射薬のパワーを100％弾頭に伝える事が出来るとのことです。



銅の材質も工夫され、たとえ弾頭が獲物の骨にヒットしても、弾頭がバラバラになって飛び散りません。したがって、弾頭の質量の99％以上が回収できるそうです。しかし通常の弾頭ですと、弾頭の60％から70％の質量しか残らないそうです。弾頭がバラバラにならないと言うことは、つまり獲物の肉も傷めにくいと言う事になるのです。
また、ナテュラリス弾頭は必要以上のマッシュルーミング効果は抑えています。この理由は、「アフリカでのビッグゲームハンティングの様に、ただ獲物を一発で倒せば良いと言う考え方を捨てて、獲った獲物の肉を少しも無駄にしないで、最後まで処理をいたしましょう。」というラプア社の開発コンセプトの上にあるからです。

メーカーお奨め有効射程距離は、200ｍ以内です。
弾頭の持つエネルギーは、50ｍから100ｍの間が一番強く、また最適なマッシュルーミング効果が発揮されます。200ｍ先の距離では弾速が約600m/sまで落ち込んでしまいます。すると弾頭のマッシュルーミングが十分起らないため、獲物にダメージを与えられずに貫通してしまいます。
また狩猟時に、日本の獲物では、殆どの弾頭が獲物の体内に止まらずに、貫通してしまう様です。


ナテュラリス30-06SPG 230ｍ先での貫通力テスト
弾速615m/s 弾頭直径φ13mm


ナテュラリス30-06SPG 120ｍ先での貫通力テスト
弾速700m/s　 弾頭直径φ15mm

本来なら、ナテュラリスをあと一年早くご紹介できる予定でしたが、やはり銅弾は、ラプア社でも難しかったようです。ラプア社の説明によると「納得の行く命中精度が、なかなか出せなかった。」との理由で、発売が今年の夏までずれ込んでしまったのです。

ナテュラリスは300ｍでも「そこそこ当たる！」と言われています。ですが実際の猟場では、風やブッシュなどの影響があります。この事も考えると遠射には、あまり向かないと思われます。ですがラプア社では、近距離でのナテュラリスの命中精度にかなりの自信を持っています！
以前から出荷されているラプア社のハンティング用ライフル装弾メガ弾頭付実包を撃った事がある方なら比較できると思いますが、ラプア社のエンジニアに言わせると「メガより当たる!」と自信満々なのです。しかし残念ながら、競技用ライフル装弾セナー弾頭付実包よりは、精度が劣るとのことです。

当店で取り扱うナテュラリス実包の種類は、308Winと3006SPGのみの販売となります。一箱20発入りで、更に5発入りの箱が4箱入っています。

現在ラプア社では、300Ｗin Magも開発中という事ですので、１年後には販売を開始できるのでは？と思います。そして今後は更にラプア社の協力を頂き、弾頭のみの販売もしていきたいと思います。

北海道で狩猟をされる方、エコロジーに興味のある方、獲物の肉を大切にしたい方。
自然に優しいラプア社のナテュラリスを是非一度、ご使用になって下さい。


Ｋ