ラプア社が販売している22ロングライフル弾の中でのランク付けは、上から「ミダス・シグナム・マスター・スーパークラブ・スタンダートクラブ」の5種類中、下から2番目にあたります。
しかしながら当社では、以前から海外遠征に行ったナショナルチームの選手達から「ラプアの安い弾、本当に良く当たりますよ!海外の選手は、練習で使っていて、伏射で軽く590点代を撃ってましたから!だから早くラプアの安い弾を入れて下さい。」と、ずっと言われ続けていました。
当社もそこで、ようやく重い腰を上げ、平成15年秋から販売を開始する事となりました。
余談ですが、22ロングライフル弾を製造する時の話しを以前、エレー社のスタッフから聞いた事があります。
22ロングライフル弾の製造工程で、弾頭を薬莢に装着する際に圧入をするので、弾頭が変形を起こしやすいそうです。
高品質マッチ弾の製造は弾頭の変形が起きない様、成型した鉛の弾頭の硬度を増すために、長期間寝かせるそうです。しかし、生産量の多い低いランクの弾は、なかなか弾頭を寝かせる時間などありません。
したがって、弾頭と薬莢の滑りが良くする為にランクの低い弾の弾頭には、潤滑材としてカーボングラファイト※1を付けているそうです。したがってどのメーカーでもランクの低い弾は、弾頭が真っ黒なのです。
もちろんラプア・スーパークラブも弾頭が真っ黒です。
高品質弾(ミダス・マスター)と弾頭の色を見比べてみて下さい。高品質弾の弾頭は、鉛の色で表面が銀色に輝いています。
話しは元に戻りますと、「スーパークラブ」はラプア社が販売していますが、製造はラプア社と同じNAMMOグループのSK社(旧東ドイツ)製です。
しかし、撃った時の感触はラプア社製造の「ミダス・マスター」と、ほとんど変わりませんので、数多く撃つ人の為の練習にはもってこいの弾だと思います。
是非一度、ラプア社のローコスト、ハイパフォーマンス、ミディアムクウォリティーを実現したスーパークラブをお試しになって下さい。
※1
カーボングラファイトは耐熱性に優れ、また2000℃を超えると強度が2倍になるとも言われています。
工業の分野では、モリブデンの代用として最近カーボングラファイトが使われており、したがってカーボングラファイトとモリブデンは似た性質を持っているようです。大口径射撃をしている方なら、既にご存知だとは思いますが、モリコート弾頭が各メーカーから販売されており、ラプア社もシルバージャケットという商品名で、競技用センターファイヤーライフル実包を販売しています。
モリコート弾頭の一番のメリットは、モリブデンが銃身内面に塗布されると弾頭の金属素材(銅、鉛)が銃身内面に付着しにくくなります。すると、必然的に金属片を取り除く為の銃身クリーニングが容易になるという事です。
ただ、銃身内部に大量に付着したモリブデンをそのまま放置すると、モリブデンが硬化し弾頭が銃身内を通り抜ける際に障害となり、命中精度が低下する。とも言われています。
カーボングラファイトやモリブデンが原因で、命中精度が低下すると懸念される方は、射撃終了直後のクリーニングを怠らなければ、まったく心配無用です。
なので、銃身クリーニングは、手を抜かずに毎回行って下さい!
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