#018 ('04/04/05)
アンシュッツ社訪問記

 

アンシュッツ社は南ドイツのバーデン・ビュルテンベルグ州とバイエルン州のちょうど境にあるウルムという都市にあります。この町には有名な“世界一高い塔を持つ ゴシック様式の大聖堂 ”があります。この教会はウルム人にとって自慢の建築物だそうです。また街中近くにあのドナウ川も流れ、川岸には城壁や多くの観光名所があり、城壁の上の散歩コースも整備された美しい都市です。

ゴシック様式の大聖堂


今回アンシュッツ社を訪問した理由は、他でもない《9003プレミアム》のためです。昨秋頃に「新作の《9003プレミアム》は、アンシュッツ工場内で専門の技術者からエクササイズを受けたディーラー以外には出荷できない」とアンシュッツ社から連絡が来たのです。さすがにレクチャーのためだけにドイツ往復をすることはできませんので、「IWA後に必ず行きます」という約束を交わしました。以前《2002CA》でもレクチャーを受けた時の記憶では「時間にして3時間程度、後は雑談で終わるだろう」と予測、早く終ったらかの教会の「塔にのぼってみたいな!」などと … とても軽い気持ちでアンシュッツ社を訪れたのでした。

アンシュッツ社入口


アンシュッツ社に入るとまず各人ごとに会社名と個人名が入った名札が手渡されロビーで待機しておりました。そこに2人組のオーストラリア人がやってきてやはり名札を受け取っていました。今まで何度かアンシュッツ社を訪れましたが、名札を渡されたことなんて無かったので、今回は何か嫌な予感します。IWA後なので「我々と同じことをするんだな?」などと思っていたところへ、ガンスミスのマティアス・シュライバー氏がやってきて「これから昼食をはさんで6時間のエクササイズを行います」と言い出したのです!これにはビックリしました。
次に頭をよぎったのは「帰りの電車の切符を買ってなくて良かった …」 ということでした。

いざエクササイズが始まると同席していたオーストラリア人の為か『ドイツ語まじりの英語』で一気に進んでいきます。いつも通訳をお願いしている社長に聞き返している時間すらまったく無いのです!
とりあえずわかった単語のみ日本語でメモる。
ところが、日本語に訳している間にもさらに説明が進んでしまうので情報が欠落してしまうという事態に陥ります。「えっ、今何て言ったの?」とばかりに隣りの人のメモをカンニングしたのですが … 困ったことに隣りはオーストラリア人。もちろん英語のメモ。英語が不自由な私にとっては「???」です。とりあえず聞き取れた単語を、そのままカタカナでメモるという暴挙に出てみました。すると、なんとかメモを取れるようにはなったのですが … 後で読み返しても意味不明で頭を抱えてしまいました。

ランチタイムを含めて約7時間にもおよぶ地獄のエクササイズメニューが終了し、最後にシュライバー氏から【 Zertifikat 】という受講証明証を手渡されました。内心「本当にこんなのもらっていいのかなぁ?」と疑問に思ってしまうほど、とても内容の濃いハード・エクササイズだったと思います。これほどまでにアンシュッツ社は、新型エアライフル《9003プレミアム》に入れ込んでいるという意気込みを、十二分に感じた1日でした。

Zertifikat 受講証明証


アンシュッツ社からの帰りは、なんとアンシュッツ社のビッグボスであるディーター・アンシュッツ氏が、我々をウルム駅まで自家用車で(もちろんメルセデス)送ってくれました。しかも、ディーター氏は我々が乗る電車が来るプラットホームまで見送りに来てくださいました。とても嬉しかったです。

当初の予定では、アンシュツ社工場やレクチャーを受けている写真を撮影したかった(教会の塔にも登りたかった)のですが、こんな予想外の状況であったため、アンシュッツ社の入口写真さえも撮影することができませんでした。しかも、いつもなら移動中の電車内は ” くつろぎ時間 ” なのですが … 今回ばかりは、スーツケースをテーブル替わりに社長のメモを借り、ずっと復習に勤しんでおりました。

本当に疲れ切った1日でした。

これにてIWA2004 《アンシュッツ社訪問編》を終わらせていただきます。



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