#024('04/06/03)
アモテスター

 



IWA2004で初めてブースを出したスイスのベルジン社から、とてもユニークなツールが発表されていました(スイスの会社なのに何故かMade in U.S.A)。その名は「アムニッションメジャーリング アンド アジャストメントディバイス」です。あまりにも長い名前なので当店では「アモテスター」と呼ぶことにしました。


このツールはセンターファイヤーライフル実包専用で『弾頭が薬夾に真っ直ぐ装着されているか?』をチェックするのみならず、薬夾に装着された弾頭が偏芯していれば『それを真っ直ぐに矯正してしまう』という大変優れ物のツールなのです。弾頭の偏芯度をチェックするだけなら今までにも米国製でありとあらゆる商品が販売されていました。しかし当店では、ダイヤルインジケーターのセッティング等が難しい物が多く、取り扱いを見送ってきましたがこのアモテスターでのチェックは、非常に簡単なので取り扱いをする事にいたしました。

入荷してすぐに私はアモテスターを購入し、あらかじめ用意していた手詰め弾を使って、早速弾頭矯正の作業を行いました。弾頭軸の偏芯のチェックは非常にスムーズに事が運びますが、偏芯している弾頭軸を真っ直ぐに矯正するコツをつかむのに、少々時間がかかります。また偏芯軸のチェックで実包を指で回すのですが、その回す指先がかなり痛くなります。100発ほど偏芯軸を矯正するのに、約1時間ほどかかります。指も痛くなるので一日200発位の作業が限度だと思います。なんとかパーフェクトに軸を直そうと試みますが、なかなか真っ直ぐに矯正出来ない弾もたくさんありました。マニュアルにも書いてあるように、ある程度の妥協も必要と言う事もわかりました。

弾頭の偏芯軸を完全に矯正出来ない弾は、薬夾のボディーとネックの軸がずれているからかもしれません。もしそうであれば、リサイジング時にFLサイザーを使う事で解決出来るはずです。今回は約300発ほどテストしましたが、その中で矯正が無用だった弾は3発程度、明らかに大きく軸がずれている物が20発程度ありました。後は矯正後の弾がどの程度の精度の向上につながるか?が楽しみです。
今回は手詰め弾でアモテスターのテストを行いましたが、もちろん工場装弾にも有効です。工場装弾の方が薬夾がきれいなため、偏芯軸のチェックの際には弾がスムーズに回り指に負担がかかりにくいと思います。残念ながら私はベンチレストシューターではありませんので、アモテスターの使用前と使用後のグルーピングデーターを十分に比較する事が出来ませんが、アモテスターで弾頭の偏芯度をチェックした結果だけをみると「これ程までに弾頭の軸がずれているものなのか!?」と驚きをかくせません。弾頭の偏芯軸を矯正した分きっと命中精度が大幅に向上すると思います。次に出場する全日本大口径選手権大会が楽しみです。






アモテスターの種類は薬夾のボディーの大きさにより種類が分かれますが、アモテスター本体の上下にそれぞれAとBの弾を入れる穴が開いていますので、一つのアモテスターで2種類の弾を使用する事が出来ます。




アモテスターの種類
スタンダードテスター

1.スモールテスター

A-222Rem&B-308Winクラス
2.ミディアムテスター
A-3006Spg&B-308Winクラス
3.ラージテスター
A-300WinMag&B-3006Spgクラス
4.ウルトラマグテスター
A-300RemUM&B-300WSMクラス
テスターセット

スモールテスターとラージテスターの本体がそれぞれ一つずつと、ダイヤルインジケーターが一つのセットになっていますので、テスターセットで222Remから338WinMagまで幅広くご利用できます。複数の口径を所持されている方にお薦めです。
ベンチレストテスター

6mmPPC&6mmBRクラス、ベンチレストはベンチレスト口径なので通常のものより目盛りの細かいダイヤルインジケーターが付属されている為、価格も少々割高です。



   
アモテスター使用法
(1)まず最初に弾をセットします
ご購入直後には調整ネジが奥まで閉まってますので、必ず調整ネジを緩めてから弾をセットしてください
(2)インディケーターを取り付けます
この時、インジケーターの尖端を弾頭と接触させてからさらに、インジケーターの針を一回転させるようにしてください
(3)指で弾を回転させ、偏芯具合を見ます
この写真は視認性のため片手で作業を行っておりますが、実際の作業時には必ずもう片方の手で本体を固定して作業してください
(4)偏芯軸を慎重に矯正します
最初にインジケーターの針をマイナス方向に合わせて下さい。上から指で弾を押さえながら調整ネジで少しずつ慎重に動かして矯正をして下さい
(5)矯正結果を確認します
調整ネジの尖端と弾頭が接触していないか確認してください。弾を回転させてインジケーターの針が±1〜3以内に収まれば終了です。一度で矯正出来なかった場合は(3)と(4)を繰り返して下さい
補足 *** ベセルの調整方法 ***
インジケーター外周にある黒色のベゼルは文字盤と連動して動きます。上記(3)手順時に0位置の調整に使用すると便利です

 
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