セントラ サイトベース 10-50
このリアサイト《セントラ サイトベース10-50》は2003年にセントラ社から発表された製品です。
私はセントラ社のリアサイト「サイトベース10-50」については、以前からあるパルママッチ用リアサイト(ピープ孔を極端に低い位置まで下げられる物)を、ただ単に10m50mそして100m用として販売をしただけの物と思い込み、当店での輸入を控えていました。
ちなみにパルママッチとは、主に米英国で行われている1000ヤード射撃競技の事です。
IWA2004の会場でセントラ社のツァーリンガー氏からこのリアサイトについて大変興味深い話を聞きましたので、遅くなりましたがみなさまにご報告させて頂きます。
このサイトにはいくつかの「隠れた利点がある」と言うのです。
1つ目はサイトの全長が50mmと極端に短いため、ギリギリまでサイトを前に出す事ができます。(特にファインベルクバウ社の600シリーズやP−70をお使いの方に有効)
2つ目はアイピースとリアサイトベースの間に隙間があるため、この隙間から風旗を見る事ができます。(屋外射撃場で有効)
注)センターファイヤーライフルは万が一バックファイヤーを起こした時、吹き出したガスがこの隙間を抜けて顔にかかる可能性があるので、センターファイヤーライフルにはご使用を控えた方がいいと思います。
3つ目はアイピースの外側の視野が広いということです。
この3つ目の視野の広さは、射撃場全体の風の動きを読むことができます。
しかしそれ以上に大きな効果が得られるのは、前方から目に入る光量が多くなるという事です。
私が勝手に思い込んでいた今までの常識ですと、ラバーアイシェードを使い横からの光を完全にシャットアウトしてピープ穴をハッキリさせる事でした。
ただこの方法ですと、銃を据えていない間の視線の先は明るい場所にあります。銃を据えている間は視線の先は暗い場所にあります。競技中の視線の先は、何度も明るい場所と暗い場所を繰り返して見る事になります。この明暗の繰り返しに伴い、目の瞳孔が閉じたり開いたりの連続になり、目の筋力が著しく低下します。
セントラ サイトベース 10-50
若い人ならいざしらず年配の方たちは、「そろそろ目の筋力が衰え出し、長時間標的を凝視する事が出来なくなってきた」と思われる方も多いはずです。目が疲れやすい方々には、大きなメリットが出ると思います。実際にサイトベースをご購入頂いたお客様からは、射撃中に「目が楽になった」との評価も頂いております。
セントラ社のカタログではアンシュッツ、ファインベルクバウ等モデルにより品番がわかれておりますが、現在はどの銃にでも取り付けが出来るようにベース部を加工してあるそうです。
さらに《サイトベース10−50》には同じくセントラ社から販売されているオブザーバーサイトと共に、他のリアサイトには無い機能があります。
上下と左右にある可動部の目盛り板を移動させる事により、リアサイトのゼロ調整ができます。 この目盛りを上手に活用できれば、姿勢ごとや違う銃に付けた場合、射撃距離の違いによるリアサイトのクリック移動が容易になります。(ちょっと動かしにくいのが難点)
またリアサイトの部品、ガイドピンやアジャストメントスクリューが丁寧に研磨され、サイトをより正確に動く様に工夫されています。
クリックノブは、1回転で12クリック(ハーフクリックも数えると24クリック)です。1クリックでの標的上の弾痕の移動距離は10mで0.25mm。50mでは1.22mmになります。
セントラ サイトベース 10-50
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