#031 ('04/12/04)
名銃 ファインベルクバウ 300S
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300S スタンダードウェイト



当店とファインベルクバウ社は、以前にもコラム(#911/28)で取り上げたように、当店の創業以来からの長いお付き合いがあります。当店の創業当初はレバースプリング式有反動銃の110からはじまり、銃身後退式150から300、300Sへと進化していきました。その後はみなさんもご存知の方が多いと思いますがポンプ式の600から603まで、圧縮空気式P70とM700へと現在まで続いています。
途中ポンプ式空気銃に平行して、炭酸ガス式のC60とC62というモデルもありました。
110有反動レバースプリング式の銃ですが、私は既に16年もこの仕事に就いていますが、まだこの銃は一度もお目にかかったことがありません。


300S スタンダードウェイト

ファインベルクバウ社は常に反動の軽減に取り組み、150で世界初の銃身後退式無反動。603では世界初振動吸収装置アブソーバーを開発しました。
当時の銃身後退式無反動といっても、引き金を引くと同時にガッチャンと機関部全体が後ろに動くため、ガッチャンという振動音と共にビィーンとスプリングの伸びる発射音が響きます。おまけに後退してきたアイピースで、額をぶつけるなんて事も必ず初心者は経験したはずです。みなさん覚えていらっしゃいますか?もちろん私も経験しました。
でも発売当初は画期的だったらしく、東京オリンピックの練習に朝霞まで来ていた海外の選手から、「無理やり譲って貰った」などと、当時の名選手達からよく昔話(自慢話)を延々と聞かされたものです。

今から20年ほど前のロス五輪で600が使われ始めたのは、一大センセーションでした。
300に変わる銃として飛躍的なモデルチェンジで、この時に買い換えた人なら誰でも驚きだったはずです。なにせ記録がつぎ次に更新され、みなさんも自己記録を大幅に更新された事と思います。110から150に移り替わった時も同じようなインスピレーションだったのでしょうね。
伏射で600点満射が当たり前の嫌な時代になったのは、ポンプ式の600に移り替わったころからで300Sの時代は、終焉を迎えることになりました。更に現在は圧縮空気の時代に突入し、立射でも600点満射が出る時代になりました。



300Sの刻印

銃の性能はここ数十年で飛躍的に進歩しましたが、ポンプ式以降の銃は耐久性が落ちてきています。もちろんメンテナンスさえ怠らなければ半永久的に使えますが、ずっと使いっぱなしだと3年以内に故障する可能性が大きいのです。
しかし300Sは、「20年ほど前に買ったのですが、弾が出なくなりました。今まで一度も修理に出した事が無かったのですが、まだ修理できますか?」との問い合わせが未だに月に一度くらいはあります。
安心して下さいまだ修理できます。部品も十分あります。
300Sのオーナーの方は部品が有るうちに、是非一度オーバーホールをしてみてください。そうすればあと10年くらいは撃ち続けることができると思います。
ここ最近、射撃を始められた方には理解できないかもしれませんが、300Sは10年くらいノンメンテナンスでも、またスプリングが折れても弾を発射する事ができるのです。これがこのコラムの題名に「名銃」と入れた理由です。今のデリケートな銃ではまったく考えられませんよね。


銃身後退システム

先日来店した方が「ファインベルクバウのスプリング式が欲しい」とご来店されました。またメールでの問い合わせも何件かありました。
コラム「倉庫の大掃除」(#1403/05)をきっかけに発掘された、中古のバウ300Sを今更ながら再販売しようと思います。
昔を思い出して、「年に数回の射撃を、ちょっぴり楽しみたい」と言う方に是非おすすめしたいと思います。
300Sの後期型など程度の良い銃は有りませんでしたが、まだまだ現役で弾を発射できる元気な銃ばかりです。今後、当店ホームページの中古銃の一覧を楽しみにお待ちください。
少しずつ「名銃ファインベルクバウ300S」掲載していきたいと思います。


1978年当時の当社カタログ

 

 
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