IWA会場
毎年ドイツのニュルンベルクで行われているIWAガンショーのレポートも、今回これで3回目になります。
毎回ご覧になっていただいている皆様には、もう既に会場の雰囲気も十分伝わっていると思いますので、もう飽きてしまった方も中にはいらっしゃると思いますが、お付き合い頂ければ幸いと思います。
特に今年のIWAはめぼしい新製品のネタも少なく、IWA後のメーカー訪問にも行かなかったので、滅多見る事の出来ない興味深い画像がほとんど無いと思いますが、先ずは写真だけでもご覧頂ければと思います。
では「どうして今年は、メーカー訪問に行かなかったのか?」と言うと、もう皆さんご存知と思いますが当店の移転のため、時間が無かったのです。
私がドイツに行っている間に、移転が終わっていれば最高なのですが、そんな訳には行かず帰国後、直に引越しの準備が始まります。
このIWA報告レポートも書かないといけないし、引越しの準備もしないといけませんし。
まったくこんな時差ボケで体調が悪いときに、休む暇も無く仕事をしないといけません。
さぁ、あと一踏ん張り頑張る事としましょう。
雪景色
今年のIWAは昨年より一週間、早く行われました。
私たちの出発前のドイツでは、大雪で大変な事になっていた様で、交通機関などの乱れを心配していましたが、到着後はまったく問題がなく安心しました。
ただIWA開催2日の夜に強い雪が降り、それ以降は毎朝の気温が氷点下になるという、とても寒い日々が続きました。
私もドイツで雪が降り積もるなんて経験は、今回が初めてです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、それではこれから新製品の報告をさせて頂きます。
前編は当店がメインとしている、競技用エアライフル・スモールボアライフルについて、数ある新製品の内の、ほんの一部を紹介させていただきます。
【ファインベルクバウ社】
モデル700が発表されてから毎年、少しずつマイナーチェンジをしているファインベルクバウ社ですが、やはり今年もモデル700のマイナーチェンジが行われました。
2006モデル
アルミストックのフォアエンド部の横幅を狭くして、なおかつ上下の厚みを狭くしました。
この改良によって、左手で保持する部分のフォアエンドレーサーの高さを、調整できる事になりました。
フォアエンド
今までのモデル700のアルミストックは、フォアエンド部の横に穴が開いていましたが、2006年モデルには、穴が一切開いていません。
きっとフォアエンド部を細くした結果、軽量化に成功したためコストのかかる無駄な穴開け加工が不要になったのでしょう。
ストックカラーはシルバー/ブラック ブルー/ブラック レッド/シルバーの3種類です。
2005年モデルの「スポーティー・アルミストック」と「ライト・アルミストック」は生産中止になりました。
その代わり従来のラミネートストック付きのユニバーサル・モデルには、青いストライプの入ったカラーストック・モデルが追加されました。
一番安価なベーシックモデルは、当店でもほとんど売れていませんでしたが、従来のラミネートストックから、クルミストックに変更され、更にチークピースが上下できるようになったので、これから人気の出るモデルではないかな?と思っています。
ベーシック
余談ですが先日倉庫の整理をしていたところ、ファインベルクバウ社製の古い狩猟用エア・ライフルが出てきました。
もう30年以上も放置されていたため、パッキン等のOリングが破損していて、とても販売できる状態ではなかったため、IWAの会場でファインベルクバウ社に部品の問い合わせをした所、もう既に在庫は全く無いとの残念な報告を受けました。
ただ、ファインベルクバウ社によると、海外の販売店で持っている可能性があるので、聞いてみてくれるとの事でした。
もし部品が入手できたら、必ずこの銃を新店舗で販売したいと思います。
【アンシュッツ社】
今年はアンシュッツ社の、創業150周年だそうです。
この150周年記念にアンシュッツ社では、数々のオリジナル記念グッズを販売しておりました。
150周年記念
記念銃は狩猟用のスモールボア・ライフル、8002ウッドストック付競技用エア・ライフル。そして9003プレミアムのブルーカラーです。
9003プレミアムのブルーカラーは、とてもセンスのいい配色で「コレはいいな!!」と思ったのですが、色々なオプションが標準装備として付いているので、価格がかなり高くなりそうですが、アンシュッツ・ファンの方にはたまらない一丁になると思います。
もしこの記念銃をご希望の方は是非、当店にお問い合わせ下さい。
メーカーの生産丁数にもよりますが、今まで私たちの経験上、記念銃はあまり売れた事がないので、しばらくはアンシュッツ社にも在庫があると思います。
9003記念銃
あとの記念品はシューターズバックやリュックサックがありました。
こちらも記念なので、当社としてもサンプル的に販売をしようと思っております。
【ワルサー社】
アンシュッツ社が150年の歴史があるなら、同じドイツのウルムにあるカール・ワルサー社(現ウマレックス社)も今年が120周年で、記念行事をIWA終了後のウルムにある本社でパーティーを行ったそうです。
代理店でない我々は招待されませんでしたが、代理店や雑誌社などは招待されていると思います。何処からか楽しい報告があることを楽しみに待つ事としましょう。
ワルサー社のパーティーとのなると、世界中から有名選手や著名人も集まる事でしょうから、きっと楽しいパーティーになったと思います。
ワルサーのブース
【ステイヤー・スポートワッフェン社】
新製品はまったく発表されていませんでしたが、昨年発表されたLG110シリーズの販売が世界中で、競技用エア・ライフル、ハイパワー エア・ライフルともに好調の様です。
当店もLG110ハイパワーの販売を開始したところ、5.5mmの問い合わせ多かったためステイヤー社に5.5mmの製作をお願いしたところ、快く承諾していただけました。
しかし5.5mmになっても、パワーは24ジュールのままだそうです。
これはどういう事かと言うと、4.5mmよりペレットの重くなる5.5mmでは弾速が遅くなるという事です。
ステイヤー社によると、軽い弾丸を使うとスピードが上がるので、もし弾速の調整が必要な場合は上手く弾の重量を選んで調整して欲しいという事でした。
ステイヤーのブース
ちなみに今、当店で販売しているデジタルピストルも、このステイヤー・スポートワッフェン社の協力があってこそ、販売が可能になった物です。
【ahgアンシュッツ社】
「Tenminator」という名称の、マズルエクステンションチューブを開発していました。
Tenminator
このエクステンションチューブの最大の特徴は、あらゆる外径の銃口にも取り付けられる設計になっております。
3方向から2本ずつ(合計6本)のネジで、銃身に固定させるため細い外径の銃身だと、銃身とエクステンションチューブの間に大きな隙間ができ、汚れが付着する可能性があります。
取り付け部
それに反動の大きな大口径ライフルですと、前に飛んでしまう可能性もあります。
しかし、購入後外径が合わないなんて事もありませんし、6本のネジをうまく微調整できれば、弾が標的に入らないなんて事も防げます。
この商品が入荷したら、じっくりと研究してまた再度、レポートをしたいと思います。
フロントサイトの取り付け溝幅は、アンシュッツ用にカットしてあります。
重量は350gと比較的軽いので、体力の衰えを感じる人にはお薦めと思います。
「ボルトプロテクト」は、当社で販売しているボルトケースと用途は似ていますが、プラスチック製のしっかりしたボルトケースです。
プラスチック部分の内部は、アンシュッツの機関部とほぼ同じ作りになっていますので、ケースにボルトを挿入してボルトハンドルを閉めると、ストライカーピンが落ちストライカースプリングが解放される仕組みになっている、よく出来たアイデア商品です。
ボルトプロテクト
【MEC社】
FWB M700 が乗ったMark-1ストック
ここまでやるか!!と言わんばかりのNewアイテム、エア・ライフル用MECオリジナル・アルミストック 「Mark-1」の販売を始めました。
以前、ライフル用で販売をしていたアルミストック MECプロジェクト GE600とは訳が違います。
GE600のオリジナルはフランスのサークス社が販売していた物で、MECがドイツでの販売権を取得したのをキッカケにMECプロジェクトの名前で販売していた物でした。
しかし今回のMark-1は違います。グリップ以外は全くのMECオリジナルです。
2分割されたMark-1
機関部を固定するフォアエンド部と、グリップの取り付け部分の前方から真二つに分離できます。
これは複数メーカーのエア・ライフルを所持している方は、フォアエンド部をそれぞれのメーカー分だけ購入し、グリップから後方は一つ持てばあらゆる銃に対応出来るという代物です。
現在、用意出来ているのはファインベルクバウM700用、ワルサーLG300XT用、アンシュッツ2002CA用の3種類のみです。
それ以外の銃には、今のところ使えません。
WAL LG300が乗ったMark-1
そしてこのMark-1ストックは、なんとスモールボア・ライフル用もプロトタイプが展示されていました。
ストックのデザイン上、グリップから後ろの部品はエア・ライフルと兼用できませんが、もしスモールボア・ライフル用としてこの部品を3つ用意したら、3姿勢それぞれにストックの長さやグリップの角度まで、完璧にセッティングが出来てしまう構造となります。
でもここまで用意すると、いったいいくらになるのでしょうか??
ちなみに価格はまだ、未定です。
ウルトラライト・グラスフレーム
当店でも人気のあるMECグラスシステムに、更に新しいモデルが追加されました。
その名も「ウルトラライト」で、フレームだけの重量はたったの13gしかないそうです。
フレーム全体が柔らかくしなやかで軽いため、普段メガネをかけない人でも違和感無く使えると思います。
またグラスフレーム用のサイドカバーも、新しく用意されていました。
グラスシステムに付いたサイドカバー
【セントラ社】
今年のセントラ社は、あまり大きな動きが無くちょっと拍子抜けでした。
それでも最近、あまり注目されていなかったスモールボア・ライフル用のバランスウェイトを製作していました。
その名も「スタビライザー」です。
Mark−1に付いたスタビライザー
スタビライザーと言うからには、どうやって反動を軽減するのだろうと思っていると、カーボンチューブの中に砂の様なものが入っていて、振ると音がします。
この砂の様な物の動きで、ちょっとだけ反動を吸収するという事でした。
レベル2
フロントサイトチューブの内側に泡が見える、「レベル2」という水準器が新たに追加されていました。
フロントサイトチューブの内側に水泡が見えるため、エイミングを行っている間のレベルチェックが容易になります。
ただ、暗い射撃場では、水泡が見え難いかも知れません。
その他には「スタートライン」という名称で、ビギナー向けの価格帯の低いラインをいくつか製作していました。
スタートラインシリーズ
【クルト・チューネ社】
度重なるジャケットとパンツのルール改定で、最も苦労しているメーカーの一つであると思われます。
Newグローブ
今年はグローブのみの新製品です。
このグローブは、当店でも販売しているソリッドの硬さと、当店では販売をしていないトップグリップモデルを融合させて完成させた、とてもフィット感の良いショートフィンガータイプのグローブです。
このグローブの名称は文字通り「ソリッドグリップ・ショート」です。
手の甲の部分にはソリッドラバーが付いていて、手のひらと指の部分には柔らかいトップグリップラバーが付いています。
チューネ氏には毎年土曜日の夜、お食事会を兼ねた射的大会に参加させていただき、大変楽しい??時間を過ごさせていただいております。
自ら試すチューネ氏
その射的大会で参加者全員、さっそく使い心地を試して見ました。
おかげ様で私は、5発すべてをターゲットにヒットさせる事が出来ました。
チューネ氏はこのグローブの使い良さを、「ビールョッキを持てるほど、このグローブはしなやかである」と、自らアピールをしていました。
でも私には、たんなるヨッ○ライにしか見えませんでしたけど…
ジョッキを持つチューネ氏
後編に続く
K
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