#069 ('06/09/21)

リー ファクトリークリンプダイ

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リー ファクトリークリンプダイ

この商品は以前からある物なので、既にご存知の方は多いと思います。
また既に使われて、効果を十分ご理解を頂いている方も、いらっしゃると思います。

当店では以前から時々、受注輸入をしていましたがここ最近、注文を受ける回数が増えてきましたので、試しにほんの一部を少数でありますが在庫を置いてみました。
価格も比較的安かったのも、在庫を置いた理由の一つです。

そこで簡単に、このリー社のファクトリークリンプダイを、簡単にご説明させていただきたいと思います。


《クリンプダイとは、いったいどんな物でしょうか?》

通常の工場装弾は、製造されてからお客様の手元に届くまで、輸送中のダメージが多少なりあります。
出荷時の荷積みや荷降ろしなど、危険物にも関わらず大量の荷物であった場合には、どうしても放り投げてしまったりすることもあるでしょう。
また狩猟時には、弾倉に実包を入れたまま、野山を走り回ることもあるでしょう。
この様な、いかなるダメージを受けても、弾頭が抜け落ちたり弾頭が傾かないように、薬莢のネックの先端部を弾頭に食い込ませ、かしめてあります。このかしめをクリンプと言います。
このクリンプを、ハンドローディングした実包にもかけてしまうツールが、クリンプダイなのです。


《クリンプダイは、どの様な効果が得られるのでしょうか?》

先にも述べた、粗悪な扱いを受けた工場装弾でも、中には非常に当たる弾もあります。
したがって、ハンドローディングした弾でも、粗悪な扱いをしなくてはならない猟場などでは、丁寧に作った実包の精度を落とさないために、クリンプは最大の効果が発揮されると思います。

ベンチレスト・シューティングの世界では、常に弾頭のシートをする際に、弾頭が薬莢のネックに入り込ませる圧力を、常に一定にさせる事が常識です。
一定にさせる為には、薬莢のネックの厚みを均一に削るネックターニングと言う、とてもきの遠くなる作業が必要になります。
またネックターナーをかけた薬莢には、発射後の薬莢を整形する時に使うサイザーダイも、ネックの外径を 0.001 インチ単位で決めるブッシングダイを使うのが一般的です。
これらを使用することによって、発射時に弾頭の抜ける圧力を一定にします。
弾頭の抜ける圧力が一定であれば、プライマーが火薬を発火させる時の薬莢内部の爆発力も安定し、より安定した初速が得られるのです。すなわち当たる弾になるのです。

しかし大多数のシューターは「そんな大変な作業は出来ないし、そこまで当てる必要もない。でも簡単な作業で当たる弾が出来るなら、やってみたい」と、思うハンドローダーの方が、大多数だと思います。
そこで弾頭を薬莢のネックにクリンプさえしまえば、たとえネックの厚みがバラバラな薬莢でも、常に発射時の薬莢内の圧力が安定します。すなわち当たる弾になるという事です。

この原理は、吹き矢を想像してみて下さい。
吹き矢を飛ばすとき、ただ息をフッと吹くより、一度頬に息をたくさん溜めてから、一気に吹き出した方がより安定した弾道を描くと思います。
クリンプすることによって、この溜めを作ると思っていただければ、効果の良し悪しを理解できると思います。

「せっかくネックターナーをかけ、苦労して弾を作ったのに、ネックの厚みを薄く削りすぎて今にも弾頭が抜け落ちてしまいそうな弾が出来てしまった」等と、失敗した経験をお持ちの方も多いと思います。
その様な弾は、とても当たるとは思えません。
こんな時にも弾頭をクリンプさえしてしまえば、少しはマシな弾になると思います。

私の経験ですが、ハンドローディングした弾は、なかなか工場装弾と同じ初速を出す事が出来ません。
また、ローディングマニュアルと同じ薬量をチャージしても、なかなか同じ初速が得られないなんて話しも、以前からよく聞きます。
「使った銃や、気象条件の違いかな?」などと未だに思っていますが、もしこのクリンプダイを使えば、発射時の火薬の燃焼に溜めが出来ますので、より工場装弾に近い初速が得られるのでは?とも思います。
もしクランプだけで初速が上がるのであれば、あともう少しのパワーアップを望むハンターの方には、有効な物になるかも知れません。


シェラ社の弾頭で例を挙げますと、フルメタルジャケットやラウンドノーズの弾頭では、クリンプ用の溝があらかじめ切ってあります。そこに合わせてクリンプをする事をお薦めします。
しかしこのファクトリークリンプダイは、強い力でクリンプするため、クリンプ用の溝が入っていない弾頭でもクリンプをしてしまいます。


《ご使用方法》

@シェルホルダーをプレスに付けて、レバー操作でシェルホルダーを一番上まで上げてください。

Aファクトリークリンプダイを、プレスの上側からねじ込んでください。

Bシェルホルダーにぶつかったら、シェルホルダーをいったん下げ、ファクトリークリンプダイを更に約 1/2 回転下げてください。
この時、プレスのレバー操作をして、クリンプダイの 4 つの裂け目が、閉じたり開いたりをするか?
確認して下さい。クリンプダイの4つの裂け目が完全に閉じた時が、最大のクリンプとなります。
それ以上の加圧は、薬莢を変形させてしまったり、クリンプダイを破損させてしまう可能性がありますので、決して必要以上の加圧をしないでください。
お好みのクリンプ量を決めるときは、クリンプダイをプレスに取り付ける深さで、微調整してください。

C後は実包をシェルホルダーに付け、ファクトリークリンプダイにゆっくり入れて、 4 つの裂け目が閉じた事を確認すれば完了です。
クリンプ後も、見た目はほとんど変わりが無いので、更に加圧したりしないよう、注意してください。


当店では次の 6 種類の実包の、ファクトリークリンプダイを在庫しております。
・ 7.62 × 39 ( 30-39 )
・ 30M1 カービン
・ 308Win
・ 30-06SPG
・ 300WSM
・ 300WinMag

リー社では、この他の口径も用意しておりますので、当店にお問い合わせ下さい。
納期に十分なお時間をいただければ、お取り寄せいたします。

価格は\3,500と、とてもリーズナブルです。
あまり十分な在庫が無いので、どうしても猟期前に欲しい!という方は、早いもの勝ちです。
すぐにご連絡下さい。



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