#076 ('07/03/24)

IWA2007報告 新製品紹介 前編

写真をクリックすると、拡大写真がご覧になれます。


IWA 会場


私にとって春の訪れは、この IWA の開催から始まりますし、世界中の射撃界でも IWA 終了直後から競技会が盛んに開催され始めます。
みなさんもこれから、新年度のスタートとなり忙しい日々を送りはじめる事と思います。

この IWA 報告も、今年で早くも4回目になります。
毎年、 IWA の会場を訪れていると、会場の雰囲気もわかってきます。
このコラムをご覧いただいている皆さんも、会場の雰囲気はもう十分にご理解いただけていると思います。
そんな中で、真新しい商品を探し出すというのは、なかなか困難な状況に陥ってきます。
例えば当店が、メインで取り扱っている標的射撃用品のメーカーなどは、ブースを尋ねると必ず新製品を出すたびに、ひとつずつ丁寧に説明をしてくれます。
しかし、取り引きのないメーカーのブース等は、ブースの前を素通りしてしまうのが現状なのです。
そんな中で新しいメーカーや新しい製品を発掘するのは、思った以上に集中力が必要になってきます。でもこの集中力は、時差ぼけと戦いになりますので、昼食後は睡魔との闘いにもなってしまいます。

実はこのコラムを書くことも、私にとっては大きなプレッシャーにもなってきているのです。大きなネタの無い年ほど、何を書いていいのやら … 悩むばかり。ネタの半分は、 IWA 速報で使ってしまったし。速報に気をとられカメラで写真を撮り忘れたり。
だから来年は、 IWA 速報はやめることにしましょう。


IWA 会場の裏手


さて、みなさんも既にご存知と思いますが、世界の銃砲業界は今、大変な事になっているそうです。
慢性的な不景気に加え、鉄鋼関係の原材料が大幅な値上がりをして(北京オリンピックに向けての準備のためか?)鉄鋼関係が中国に大量に買い占められ、値上がりだけでなく鉄鋼素材の確保すら難しい状況になっているそうです。
この様な理由で各メーカーでは、値上げをするだけでなく、納期も遅くれてしまうのが現状の様です。
これらが原因の為か、銃メーカーでは新製品の発表を抑えていた様ですね。
私もファインベルクバウやアンシュッツで新製品があれば、それだけで IWA 報告のネタが出来て一安心なんですが、標的射撃関係の新製品が今年は、ほとんど何も無かったのであまり面白くない報告かと思いますが、最後までお付き合い頂ければ幸いと思います。



【ファインベルクバウ】


ファインベルクバウのブース


今回は新製品が、何もありませんでした。
ファインベルクバウ社の代理店としては残念なのですが、販売する立場とすればモデルチェンジが無いと言う事で、内心ホッとしています。
なぜホッとしているかと言うと、旧モデルの在庫処分に気を使わなくて良いって事です。
でも新製品がないブースは、やっぱり人の集まりが悪く、さびしいですね。

最近 M700 のエアーライフルで、ちょっと多くなってきたトラブルがあります。
セーフティーをかけた状態で空撃ちをしても、セーフティーレバーが動いてしまい、エアーが放出されてしまうというトラブルです。これは、セーフティーパーツの変形が原因で起こるトラブルです。
ストライカーピンの動きをセーフティーパーツが、途中でストップさせる物ですが、この時セーフティーパーツに、ストライカーピンがものすごい力でぶつかります。
その衝撃を受け止める事で、セーフティーパーツが変形し、ストライカーピンの動きを完全に止めることが出来なくなり、ストライカーピンに押されセーフティーレバーが動いてしまい、バルブを叩いてしまうからです。


セーフティーが、かかっている状態


これは、セーフティーを使って空撃ち練習を多用する人に限って、起こる現象の様です。
この話をエンジニアにしたところ、ドイツではセーフティーは空撃ち装置ではなく、あくまでも安全装置として使っているようです。したがってこの様なトラブルは起きていないとの事でした。
とりあえず、部品の耐久テストを行ってくれるそうなので、今後の部品の改良を期待したいところです。


セーフティーが、解除されている状態


現段階ではセーフティーの部品があまり強くないので、もし M700 をお持ちのお客様で空撃ち練習をされたい方は、出来るだけセーフティーを使わずに、エアーシリンダーを緩め銃本体にチャージされていない状態で、空撃ち練習をしていただければと思います。



【アンシュッツ】
アンシュッツ社は 2004 年に発表をした、まったく新しいシステムのエアーライフル・モデル 9003 プレミアム以降、廉価版のエアーライフルを開発し続けています。


アンシュッツ 8001


一昨年はモデル 8002 で、今年はモデル 8001 をラインナップに追加しました。
このモデルは主に、ドイツ国内でのクラブシューター向けだそうでモデル 8002 と同様、スタビライザーを無くし、更にトリガーを完全に機関部と一体化させ、構造を単純化させた物だそうです。
ストックも左右兼用で、バットプレートはゴムラバーで出来ています。

今までアンシュッツ社のアルミストックは、モデル 8002 およびモデル 9003 プレミアムは記念モデル等を除き、主にブラックカラーに統一されていましたが、新しいカラーバリエーションが増えました。


モデル 8002 の新しいカラーバージョン


中にはグリップやフォアエンドが、クルミ材で作られた物もありました。
でもハッキリ言って、私の好みの色ではないですね。やっぱり黒が一番だと思うのは私だけでしょうか?

モデル 9003 プレミアムは、マイナーチェンジを行い、モデル名も 9003 プレミアム S2 と変わっております。


9003 プレミアム S2


バルブ室とコッキングボルトの色がゴールドになり、その部分だけ交換で S2 になると思いきや、機関部内部も構造変更をされ機関部内の空気の流れをスムーズにしたそうです。
もし 9003 プレミアムを 9003 プレミアム S2 に変更する場合、アンシュッツ社へ送り返さないといけないそうです。おまけに修理工賃に送料別で、 500 ユーロ以上ものコストがかかってしまうとの事でした。
9003 プレミアム S2 の販売開始は、今年の夏以降になるそうです。



【ステイヤー スポーツワッフェン】
ブースを訪ね、まず最初に気が付いたのは当店が依頼して、特別に製作してもらった口径 5.5mm の LG ‐ 110 ハイパワーエアライフルが、一番目立つところに飾ってあった事です。


LG ‐ 110 ハイパワーエアライフル 5.5mm


ステイヤー社の新製品として、商品ラインナップに追加してくれたそうです。
我々の希望がメーカーサイドに伝わり、新たな製品が完成したと言う事は、依頼をした私たちにとっても、大変嬉しい出来事でした。
特注品の場合、メーカーサイドからオーダーの最低発注ロッド数量が決められていましたが、新製品としてラインナップされた事により、 1 丁からのオーダーが可能になった訳です。すなわち大量の在庫を置かなくて、良くなったという事も嬉しい出来事でした。
実は、この LG ‐ 110 ハイパワーエアライフルを狙って、日本の業者が何社もステイヤー社のブースを訪れたと、ステイヤー社のスタッフから話を聞きました。
日本の皆さんも、この銃を意識していること間違いなしです。
口径 5.5mm のハイパワーエアライフルは、ドイツ国内ではあまり人気が無いそうですが、世界中からの問い合わせもあり、多くの商談が成立したようですね。
これから日本でもこの LG ‐ 110 ハイパワーエアライフルは、もっともっと人気の出てくる銃になる事、間違いないでしょう。

LP ‐ 10 と LG ‐ 110 ターゲット(ハイパワーは除く)でも、ちょっとしたモデルチェンジがありました。
トリガーレバーキャリアーを支えるピンのピンホールに、ボールベアリングを入れました。


LP ‐ 10 のボールベアリング


ボールベアリングを入れる事により、トリガーレバーキャリアーのガタツキを極限まで抑え、長年の使用にも常に安定した引き味を持続する事が出来るそうです。
ただし、ハイパワーエアライフルや LP ‐ 2 等のエアーピストルには、このボールベアリングは標準装備をしないそうです。
このボールベアリングが装備されたモデルは、今年の夏以降の出荷になるそうです。

このボールベアリングと同じ機構は、モリーニ社が CM162 シリーズで最初に行ったマイクロベアリングシステムと同じ機構です。



【ワルサー】
当店ではあまり興味を示さないワルサーですが、新製品が出ておりましたのであえて紹介させていただきます。


ワルサー LG300 アナトミック


新しいエアーライフルは、 LG300 アナトミックという名称でストックにカラーラミネートストックを採用しました。
今回の IWA に急遽、間に合わせたモデルなのでまだ価格や出荷時期が不明だそうです。
カーボンテックよりは安くなるそうですが、まあ販売は総代理店さんにお任せいたしましょう。



【グリュンネル】
グリュンネル社オリジナルのアルミストック、レボリューションVの発表でますます勢い付いてきたメーカーです。
レボリューションUでは、ストックカラーのバリエーションがたくさんあったのにも関わらず、エボリューションVではシルバーに統一されています。したがってブース内もシルバーに輝き、周囲から見るとひときわ目立った存在感がありました。


グリュンネル社の大口径ライフル


グリュンネル社はヨーロッパの大口径競技銃の世界では、人気度や使用率では群を抜いているメーカーです。
最近では、当店でも取り扱っているブライカー社の使用率も、グリュンネル社に迫っては来ておりますが、まだまだグリュンネル社が頭一つ飛び抜けている状況です。

大口径ライフルの射撃を行っている選手ならご存知だと思いますが、大口径のライフルはボルトのストロークの長さがネックになり、なかなか頬付けが上手く出来ないという欠点がありました。
好みの高さにチークピースを上げると、撃ち終わった薬莢を排莢する際、ボルトを後退させようとすると、必ずボルトの後端部がチークピースに当たり、ボルトを完全に引ききる事が出来ません。
ターナー社などでは昔から、サイトベースラインを銃身軸線から左にオフセットさせ、チークピースもそれにあわせてオフセットさせ、チークピースの頬付けする面積を何とか確保してきました。
しかし競技用大口径ライフルを所持するには、エアーライフルからスモールボアライフルにステップして、ようやく大口径ライフルを所持できる日本のシステムでは、このオフセットされたチークピースに多くの人が抵抗を感じていると思います。
真っ先に所持できるエアーライフルとスモールボアライフルには、中には例外はありますが、まったくと言って良いほどサイトベースラインがオフセットされた銃など、ありません。したがって大口径ライフルでいきなりオフセットというと、私も大きな抵抗があり敬遠してきた次第です。
とにかくエアーライフルやスモールボアライフルと同じ、センターラインのサイトベースラインの大口径ライフルが欲しいと言う方には朗報です。
部品としてはオプションになりますが、ボルトを後退させるとボルトの後端部がチークピースの前方に取り付けてある金具にぶつかり、チークピースをボルトが跳ね上げてしまうのです。


ボルトがチークピースを跳ね上げたところ


排莢と装填が完了したら、エイミングをするときに、頬でチークピースを元の位置に戻すだけでいいのです。
これは私にとって、画期的なアイデアだと思いました。

レボリューションVアルミストックは、グリュンネルの大口径ライフル専用だけでなく、アンシュッツの 19 シリーズアクション用や 20 シリーズアクション用のアダプターもありますので、アンシュッツのスモールボアライフルをお持ちの方なら、簡単にレボリューションをご使用になることが出来ます。


アンシュッツ 2013 +レボリューションV


でも左射手用はまだ、メーカーにレボリューションUの在庫が有るため、Vの生産はまだまだ先の話になってしまうそうです。

そういえば昨年、発表されていたラプア社との共同開発をした、新しい口径のライフル実包の 6.5 × 47 ラプアは、銃身寿命も長く非常によく当たるとの報告を受けました。
これからが楽しみなライフル実包です。



【モリーニ】
日本に入ってきているモリーニ社のエアーピストルは、ほとんどが CM162EI のエレクトリックトリガー付きのモデルだと思います。
初入荷以来だいぶ時間が経過したためか、そろそろ電子基盤のトラブルが多くなってきました。


モリーニの基盤


IWA の会場で修理のための基盤を預けると、ヨーロッパではさほど基盤のトラブルが多くないという話を聞きました。
ヨーロッパと日本の気候の違いもあるのでしょうが、次の点を注意して扱って欲しいとのアドバイスを承りましたので、お知らせしたいと思います。

まず電池が液漏れを起こすと、必ず電子基盤がやられてしまうそうです。
電池にも消費期限が記載されていますので、まだ使えるからと言って、古くなった電池をいつまでも使わないで下さい。(写真を良く見ると、電池に消費期限が印刷されています)
消費期限を2年も3年も経過したものは、今すぐに新しい電池へと交換してください。
また使わない期間が長く続くのであれば、電子基盤から電池を外す事をおすすめいたします。
これだけの注意で電子基盤のトラブルは、かなりの確率で防げると思います。

余談ですが、ヨーロッパと日本の気候の違いって、どのくらい違うの?なんて思われる方がいらっしゃいます。
日本では太平洋側と日本海側では、かなりの気象の違いがありますが、私は IWA に行くと花粉症や乾燥肌が治ってしまいます。でも日本に帰って来るとすぐに、元に戻ってしまいますが。
工具屋さんから聞いた話ですが、スイスの有名な工具メーカーの PB のプラスチックの柄がありますよね。チャンピオンのグラスフレームについている、あの赤い柄の六角ドライバーです。
これって、工具箱やグラスフレームの箱などの密閉された場所に保管しておくと、けっこう臭いがキツイのは、チャンピオンのグラスフレームをお使いの方なら、既にご存知と思います。


チャンピオングラスフレームに付いているドライバー


グラスフレームに付いた自分の汗の臭いかな?なんて思われていた方も多いと思いますが、間違いなく PB のドライバーの柄の臭いなんです。
このなんとも言えないクッサイ臭いは、実はスイスでは匂わないそうなんです。
クッサイ臭いの気になる方は、ドライバーを箱から出していただければ、きっと臭いませんので試しに箱から出してみて下さい。

モリーニ社もスイスの会社です。
スイスの気候で製品テストを行っていますので、日本の気象条件下でトラブルが起こっても不思議ではありません。
念には念を入れて、基盤の取り扱いには注意をして下さい。



【メック+セントラ】
今やドイツの射撃業界を牽引する、メック社とセントラ社が完全に手を結んだ様です。
以前から IWA では、ブースを共同で出していたので、この 2 社の関係は知っておりましたが、今年はなんとカタログまで共同で印刷をしておりました。
2 社共同でカタログを製作するって、とても大変な事だと思います。何故なら 2 社で IWA に合わせ、足並みを揃えないといけませんので。


メック社とセントラ社の共同カタログ


特にメックは、ドイツ北部のドルトムントですし、セントラは南ドイツのスイスとの国境を流れるライン川近くのラインフェルデンにあります。
直線距離で約 460km 。電車で移動した場合、乗り換えも含めると ICE (インターシティーヨーロッパ)でも約 5 時間。アウトバーンが空いていれば、時速 200km で飛ばせば 2 時間半くらいでしょうか?
このカタログの校正のために、ドルトムントとラインフェルデンの間を、いったい彼らは何往復したのでしょうか?


それでは、まずはメック社の新製品から紹介をさせて頂きます。

昨年、発表されていた Mark ‐ 1 アルミストックが、いよいよ出荷の準備が整いつつあるそうです。


Mark ‐ 1 ストック


何とか夏のセールまでには、当店にも入荷するのでは?と思いますので、楽しみにお待ちください。

新しいタイプの、マズルエクステンションチューブが出ておりました。
その名称はベルタです。


ベルタ


いったいどんな意味があるのか、辞書で調べてみました。
ドイツ語ですと、女性の名前ですね。
イタリア語ですと「冷やかし」「ミズナギドリ」「杭打ち機」「ショール」などが出てきました。
形から判断すると、やっぱり「杭打ち機」でしょう。

以前からあったマズルエクステンションチューブのストライクとは、かなり要素が違ってきます。
中央部のチューブは、 3 種類の長さがあります。
これはエクステンションの長さを取る物ではなく、あくまでもバランスウェイトだそうです。
短いものは立射用、長いものは伏射用として、準備をしているそうです。
本体 1 つに、長さの違うチューブが 3 本で 1 セットになりますので、 3 姿勢シューター向きの商品と言えるでしょう。


べルタのチューブ


このチューブは、簡単に引き抜いたり押し込んだり出来ますので、チューブ内のクリーニングを容易にしたという事でした。
したがって「杭打ち機」なんでしょう。
フロントサイトは最大で約 10cm 、前に出すことが出来ます。
もっと長い照準距離をと思われる方は、従来のストライクを購入した方がよさそうですね。

ストライクの銃身への固定方法は、上部からのイモネジで、銃身に直接当てて固定していました。
ベルタは下方に割りが入っていて、横からネジでかしめる方法で固定しますので、銃身に傷をつける心配が無いのも、大きな特徴でもあります。


まだプロトタイプだそうですが、新しいデザインのニーリングロールが、発表されていました。名称はシリンダーと言います。
シリンダーと呼ぶと、ちょっと解りにくいのでニーリンロールの名称で、話を進めて行きましょう。


ニーリングロール


このニーリングロールの内部は、中央部に仕切りがあり上下に部屋が分かれます。
この上下で中のクッション材の量を調整することにより、より一層の安定感を生み出す事が出来ます。
最近はニーリングロールも、大きいのや小さいのでサイズが分かれ、どちらを選択すれば良いか、迷われる方も多いことと思います。
内部の部屋を二つに分けたことにより、内部に入れるクッション材の調整さえ上手く出来れば、この選択の迷いを一切、無くすことが出来るのだそうです。
クッション材には、小さなプラスチックのチップが入っています。
このチップは硬いので、足首に当たって痛くなることを防ぐため、ニーリングロールの内側がスポンジ材で保護をされています。

つい先日、ようやくメック社から、グラスフレーム用のサイドカバーが入荷しました。
取り付け方法がちょっと難しかったので、写真を一枚掲載しておきます。
ご購入を考えていらっしゃる方は、この写真を参考にしてサイドカバーをグラスフレームに取り付けて下さい。


サイドカバー



次にセントラ社の紹介をさせていただきます。

フロントサイトとアジャスタブルインサートを、ホコリから守るキャップ、ロータリーです。


ロータリー


私も多くの銃を、オーバーホールしています。
フロントサイトを覗くと、ホコリまみれになっているフロントサイトが、可哀想に思えます。よくこんなホコリまみれで、標的が見えるもんだなと思いながら、エアースプレーでホコリを飛ばしてあげています。
しかし、 10 年 20 年使われている銃などでは、ホコリがこびり付きなかなかエアースプレーでは飛ばせない銃もあります。そんな時はインサートを外して、ウエスで拭き取ってあげています。

プラスチックインサートや金属インサートならまだいいんですが、ホコリが溜まったら厄介なのが、アジャスタブルインサートです。
アジャスタブルインサートは、下手にリング部に触れてしまうと爪が変形して、壊われてしまいます。壊してしまうともちろん、メーカーに送り返さないといけなくなってしまいます。
なので、アジャスタブルインサートをご使用の方は、必ずこのロータリーを使って、常にフロントサイトをホコリから守ってあげて下さい。
セントラ社では、 M18 と M22 の両方を準備しております。

今まで有りそうでなかった、リアサイト用のフロントチューブで、名称はレンズフードです。


レンズフード


このレンズフードには、フロントサイトに取り付ける偏光フィルターインサート M18 のシングルやダブルを取り付ける事により、偏光チューブに早変わりです。
アイピースに色々な機能を求めると、どうしてもアイピースが長くなってしまいます。
腕の短い日本人は、どんなにリアサイトを前に出しても、どうしても顔にアイピースが近くなってしまう傾向があります。実は私もなのです。
偏光フィルターがフロントチューブに付くだけで、アイピースの長さを少しでも短く出来るという事は、特にグラスフレームをお使いの方にとっては、とても魅力的な商品だと思います。

ゲーマンのアジャスタブルアイピースをお持ちの方には、朗報です。


ミラー エクステルン


ゲーマンアイピース用のミラーが、販売されました。
私も実は、ゲーマンのアイピースを使っていますので、入荷次第、早速購入をして使おうと思っております。
このエクステルン、ドイツ語の辞書で調べたら「外部の」という意味でした。

当店の隠れたヒット商品、ソルベントボトルに似た商品で、その名はルーブです。


ルーブ


カタログには「 LUPE 」と書いてあったので、またしても辞書で調べましたが、女の子の名前で出てきました。「あれっ?」と思いセントラ社とのミーティングの際に頂いた、新製品情報だと「 LUBE 」になっております。カタログのスペルミスでしたね。ルーブなら、意味が通じます。
アルミ製のボトルで、 65ml の容積があります。
ソルベントボトルより一回り小さいので、使い勝手は抜群だと思います。ただアルミ製なので、お値段も張ること間違いないでしょう。
しかしセントラ社とメック社は、何でわざわざ商品に理解しにくいネーミングをするのでしょうか?外国語に弱い私は、商品名の意味を調べるだけで辞書を引かないといけません。



【サワー】
アドバンテージエクストラという、新素材を使ったシューティングジャケットです。


アドバンテージエクストラ


今やシューティングジャケットの硬さで、皆さん苦労をしていると思います。
サワー社では昨年の夏から、新しいラバー素材を使ったシューティングジャケットを販売開始しました。
このラバー素材は、滑り止めにもなりますし汚れても、簡単に汚れを拭き取る事が出来ます。
特筆すべき点は、新品のうちから生地の硬さを簡単にクリアしてしまうそうです。そしてこの程よい硬さが、長年の使用にも耐え持続するそうなのですが、まだ開発して間もないので、耐久性については今後の状況を見て、判断して行きたいと思います。
写真で言うと、青い部分がラバー素材になります。

このラバー素材を使ったアドバンテージエクストラジャケットは、完成直後のワールドカップで服装検査を問題なくクリアし、そしてメダルも獲得したため、ドイツ国内では売れに売れているそうです。
このラバー素材を使ったジャケットを、 ahg アンシュッツ社のステンバーグモデルでも販売を開始しましたし、クルト社でもこのラバー素材を探している様です。
これからラバー素材を使ったシューティングジャケットは、しばらく流行りになりそうですね。
当店ではサワー社に1着アドバンテージエクストラのシューティングジャケットをオーダーしてきました。
ドイツの既製サイズですと、日本人の体型に合いませんのでサイズ 48 を少しいじった寸法でオーダーしてきました。オーダー品なので入荷まで少しお時間がかかると思いますが、入荷したらホームページで報告いたしますので、この新しいラバー素材が気になる方は当店まで是非、足を運んでみて下さい。
お待ちしております。



【クルト・チューネ】
新しいモデルのシューズが、展示されておりました。


ニューシューズ


表面の赤い部分には、バックスキンを使っているので従来のエボリューションシューズより、しなやかさがあると思います。

ミーティングの後は、毎年恒例のお食事会に誘われました。
毎年この IWA 報告では、本当に面白い写真を使わせて頂いているので、このお食事会が私にとって最高のネタ作りの場なんですが、最近はチューネ氏のろくでもない写真ばかりを掲載しているので、今年はチューネ氏から検閲が入りました。
この写真はホームページには使うな!とか、これなら良いとか。
はっきり言って、酔っぱらっていたので何が良くて何がダメだったんだか、すっかり忘れてしまいました。
でもダメと言われた写真ほど、面白い写真だったんですよね、きっと。
楽しい写真を掲載し、取り引きを中止されてしまうといけませんので、当たり障りのない写真を一枚だけ、掲載させていただきます。


チューネ氏とのパーティー




【 ahg アンシュッツ】
ステンバーグモデルのシューズは、柔らかさが売りでしたけど、ユーザーからの希望が多く固いモデルのシューズを開発しました。
その名もステンバーグモデル・ストロングです。


ステンバーグ ストロング


従来のステンバーグモデルはそのまま残して、ストロングと 2 本立てでラインナップに載せるそうです。価格帯が従来のモデルと変わらなければ、非常に興味深いシューズです。



【コルンオプティック】
この会社名をご存知の方は少ないと思いますが、ファインベルクバウなどに標準装備されているプラスチックインサートや、ピストル用のロータリー式ポストサイトを製作している、とても古いメーカーなのです。
ブースに立ち寄ると、仕事の話は二の次で色々な面白い話を聞かせてくれるので、私も大好きなブースの一つになっております。

コルンオプティック社から、新しいタイプのライフル用フロントサイトが販売されました。
スーパーポイントという名称の、ドットサイトです。


スーパーポイント


ドットには、ファイバーグラスを使ったことで、センターに緑色のポイントが付きます。
「フロントサイトがリングサイトだと、銃が動く様に見えるが、ドットだと標的が動いている様に見える」と、メック社のマイク・エックハルト氏もおすすめしておりました。
コルンオプティック社ではまだ確認をしていないそうですが、もちろん「 ISSF のレギュレーションのも適合しているでは?」と、マイク・エックハルト氏は言っておりました。
この理由は、ドットの点灯を電気ではなくファイバーグラスを使った自然点灯だからだそうです。
スーパーポイントの周りを、ファイバーケーブルがグルグルまいてあります。そのケーブルが光を集め、フロントサイトの中心を点灯させるそうです。


スーパーポイントを横から見たところ


でもこれって、暗いところでは上手く、点灯するのかがちょっと心配な商品でもありますが、周りの明暗に合わせてドットの光量も自動的に調整されると思えば、何も問題がないのでは?とも思います。

このスーパーポイントをお使いになるに当たって、注意事項があります。
エアーライフルにお使いの場合は、レギュレーションの関係でフロントサイトの長さが、 5cm までになります。
ファインベルクバウの純正のフロントサイトに取り付ける場合、フロントサイト前方のネジを外さないと、 5cm 以内に収まりませんので注意して下さい。
スモールボアライフルの場合は、フリーライフルのカテゴリーに入りますので、フロントサイトの長さを気にする必要はありません。

ファイバーケーブルを使った照準システムは、アーチェリーの世界でもだいぶ前からあった方法なので、既に実績はあると思ってください。
このスーパーポイントは、現物をドイツから持ち帰っておりますので、すぐにでも販売可能です。

初期入荷分は限定 5 個のみで、すべて M22 になります。

価格は¥ 17,200 です。
今回、ドイツから持ち帰った限定 5 個に限り、お試し価格を儲けました。

お試し価格は¥ 12,300 になります。

目が見え難くなってきた方には、今年の一番のおすすめ商品です。
早く購入しないと、売り切れてしまいますよ。

後編に続く。



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