#079 ('07/04/28)

ネック・リサイジング

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大口径ライフルを所持している方ならご存知だと思いますが、大口径ライフルを所持していない方には何の事やらさっぱり解らないと思います。
リサイジングとは一度撃った撃ち空の薬莢を再生させ、新たに実砲を作り直すために行う行為の事です。

私も高校生の頃から射撃をやっていますが、当時は空気銃やスモールボアライフル射撃場に併設されている大口径射撃場に行って、捨てられている大口径ライフル銃の真鍮薬莢を拾って帰るのが、楽しみの一つでもありました。
でも、拾ってきた撃ち空の薬莢に弾頭を取り付けようとしても、ストンと落ちてしまいます。
この時、弾頭が落ちない様に薬莢を搾り込む作業を、リサイジングと言うのです。
リサイジングされた薬莢に専用の工具を使い、弾頭を押し込むとダミーカートリッジの完成です。
専用の工具を持っていない高校生にとっては、いかに上手くダミーカートリッジを作るかが、難題であったのです。


スモールボアライフルの弾は、実砲しか販売されていないのは皆さんもご存知ですよね。
大口径ライフルでも実砲は販売されていますが、弾が大きいだけあって非常に高価なのです。
そこで大口径ライフルシューターの多くは、弾作り専用の機械を使って実砲を作ってしまうのです。
弾頭と火薬、そして雷管を購入して作ります。
一番高価な薬莢は、何回も再利用するのです。
そうすると実砲を買うより、半分位の金額で弾を作ることが出来るのです。

この弾を作る作業をハンドローディングと呼び、いかに当たる弾を作る事ができるか?また弾頭や火薬の種類を変えたり、かやくの量を微調整したりして、いかに自分の好みの弾を作ることができるか?
いつまで経ってもなかなか結果の出ない、とても楽しい奥の深いホビーになります。
しかし、このホビーも銃に興味のない方から見れば「テロリストがアジトで何か奇妙な事をやっている」などと、非常に怪しい行為に見えるらしいですね。


さて、ハンドローディングについて語り始めると、夜も寝むれなくなってしまうので、コラムの題名である「ネック・リサイジング」について、簡単にご説明をさせて頂きます。

通常、リサイジングを行うダイスと呼ばれる工具は、薬莢の全体を矯正する「フルレングス・ダイ」と弾頭を薬莢に取り付けるための「シーター・ダイ」の2本がセットになって、販売されている物が一般的です。
この「フルレングス・ダイセット」が普及しているため、ハンドローディングを行っている方でも「ネック・リサイジング」の事をご存じない方も、まだいらっしゃる様です。
「ネック・リサイジング」とは、薬莢の弾頭をくわえる部分のネックのみを矯正させる事で「ネックサイザー・ダイ」というものを使います。


レディング社 ネックサイザー・ダイ


通常の「フルレングス・ダイ」は、薬莢の全体を矯正させるのでプレスを使っても、かなりの力が必要となります。また、ダイスに薬莢を張り付かせて抜けなくなってしまったなんて失敗をされたかたも多いと思います。
そこで「ネックサイザー・ダイ」を使い「ネック・リサイジング」を行うと、「フルレングス・ダイ」で「フルレングス・サイザー」をかける時の、半分くらいの力で済んでしまいますし、ネック部分のみの矯正となりますので、薬莢をダイスに張り付かせる失敗も少なくなりますし、薬莢の寿命も多少ではありますが長くなります。
一番嬉しいことは、リサイジングオイルを付ける所が、ネックの部分だけなのです。
これはリサイジングを終えた後、リサイジングオイルを拭き取るのに、かなりの手間が省けます。
したがって、ハンドローディングする時間が、短縮されること間違いなしです。

「ネック・リサイジング」は、良いことずくめの様に思われますが、難点もあります。
「ネック・リサイジング」は、ボルトアクションのライフルにしか使えません。
この理由は、薬莢のボディー全体を矯正しませんので、薬莢が新品薬莢みたいに細く絞れません。
細く絞る事が出来ないと、自動銃では回転不良が起こる可能性があるからです。
また「ネック・リサイジング」のみを続けていると、薬莢のボディーとネック部分の軸がずれ、当たらない薬莢になってしまうのです。
「ネック・リサイジング」を続ける場合は、3回に1回は「フルレングス・ダイ」に薬莢を通す事をおすすめいたします。

注意して頂きたい点は「ネック・リサイジング」は、ネック部分のみの矯正になります。
「ネック・リサイジング」をかけた薬莢のボディーは、その銃で撃った薬室にピッタリあった物になります。
したがって「ネック・リサイジング」をかけた薬莢は、必ず撃ったその銃にしか使わないで下さい。
同じ口径でも、もしちがう銃の薬室に薬莢を装填したら、薬莢が薬室から外せなくなる可能性があります。


当店では以前から、ボルトアクションライフルをお持ちのお客様向けにレディング社の「デラックス・ダイセット」というものを販売しております。

メイト価格は次の通りです。
Aグループ¥12,400− 一般的な口径
Bグループ¥16,800− 6mmPPC,6mmBR等
Cグループ¥21,700− 338ラプアMag等
Dグループ¥24,500− 6.5Jap,7.7Jap等

これは「フルレングス・サイザーダイ」「ネックサイザー・ダイ」そして「シーター・ダイ」の3本が、一つの箱に入った優れ物のセットです。


レディング デラックスダイセット


当店ではこの「デラックス・ダイセット」をおすすめしているのですが、どうもお客様は他社から価格の安い「フルレングス・ダイセット」を購入させる方が多い様です。
購入された後に、レディング社を取り扱っている当社に「レディングのネック・ダイだけ、バラで売ってくれませんか?」との問い合わせが増えてきました。
今まではすべてお断りをしていたのですが断るのも、お客様に対してだんだん嫌悪感が出てきましたので、この不景気の中、思いきってレディング社から「ネックサイザー・ダイ」を、ちょっと多めに輸入してみました。


山積みになったネックサイザー・ダイ


今回の入荷分は、次の通りです。

【Aグループ】

222 Rem
1個
223 Rem
1個
243 Win
2個
270 Win
2個
7mm Rem Mag
2個
308 win
10個
30-06 SPG
10個
300 Win Mag
2個
300 Wby Mag
1個
300 WSM
5個
300 Rem UM
1個
338 Win Mag
1個

これら【Aグループ】となりますので、メイト価格は¥5,300−です。



【Bグループ】

6mmPPC     5個
6mmBR      5個


これらは【Bグループ】となりますので、ちょっとお高くメイト価格は¥7,100−です。

売れ筋の物に関しては、在庫は十分に用意をしたつもりですが、すぐに無くなってしまう可能性があります。
在庫を切らしてしまっても、また次に発注はかけますが、その次の発注まで時間がかかってしまう可能性がありますので、もし「ネック・リサイジング」に興味がある方、または早急に「ネックサイザー・ダイ」が欲しい方は、お早めにご連絡を頂ければと思います。



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