#082 ('07/12/14)

RWS R10 ・AP 弾がダイェットに成功!

写真をクリックすると、拡大写真がご覧になれます。


RWS ・ R10 で知られる競技用 AR 弾・ AP 弾は優れた品質により世界中で使用され、
多くの国際試合において常に上位入賞を達成しています。


ここにご紹介致します、 RWS ・ R10 ・ AP 弾は、 1 発当りの重さが 0.05 g軽量化され、
これまでの 0.50 gから、 0.45 gにダイェットして新しく生まれ変わりました。
そこで、改良されたのを機会に RWS ・ R10 ・ AP 弾と H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾との性能的な比較 ( 重量の均一性 / 表 1 、 弾速のバラツキ等 / 表 2) をして見ました。
計量には 1/100 g単位まで計れる RCBS 社製電子秤 (パートナースケール) を、弾速の測定には高性能のヴァインリッヒ社製弾速測定器( 25MC )をそれぞれ使用致しました。

表1. 重量の均一性の比較(g=グラム )

サンプル弾種別

RWS ・ R10 ・ AP 弾 / 4.49

(1 発当り 0.45 gの重量表示あり )

H&N フィナーレマッチ・ AP 弾 / 4.49

(1 発当りの重量表示なし )

計量実数 ( 発 )

502 発 ( サンプル缶 1 缶 )

503 発 ( サンプル缶 1 缶 )

重量分布内訳

0.45 g

0.44 g

0.48 g

0.49 g

弾 数

465 発

37 発

321 発

182 発

重量割合

92.6 %

7.4 %

63.8 %

36.2 %

上の表1.は、1缶あたりの AP 弾の、 1 発ごとの重量を計って、それらの重量を比べて、1缶の同一重量の弾数の割合と、その差がどれ位あるか、その度合いを重量のバラツキとして表したものです。( 1/100 グラム単位)
AP 弾のサイズは RWS 、 H&N とも比率的、多く使用されております4.49を選びました



スカート断面の比較 左: RWS ( 弾長: 5.30mm) 右: H&N( 弾長: 5.65 mm )



下の表2.は、表1.で重量計測した AP 弾を使用して、弾速の比較をしたものです。
表2. 弾速の比較 [ 弾速= m/s, テスト銃=ステイヤー LP10 (R10 、 H&N 共、同一条件下で発射 ) ]

テスト弾 ニュー RWS R10 AP 弾  / 4.49mm

テスト弾  H & N フィナーレマッチ AP 弾 / 4.49mm

1回目 (10 発 )

2回目 (20 発連続 )

1回目 (10 発 )

2回目 (20 発連続 )

発順

m/s

発順

m/s

発順

m/s

発順

m/s

発順

m/s

発順

m/s

1

160.6

1

160.4

11

160.8

1

154.2

1

153.2

11

154.2

2

160.6

2

160.0

12

161.0

2

154.2

2

153.2

12

155.2

3

161.8

3

159.8

13

161.0

3

152.4

3

151.6

13

153.8

4

160.8

4

160.4

14

160.8

4

154.0

4

153.2

14

154.0

5

162.0

5

159.4

15

160.8

5

155.2

5

152.4

15

151.8

6

160.4

6

159.6

16

160.4

6

153.6

6

153.8

16

154.4

7

161.6

7

160.0

17

160.0

7

153.6

7

153.4

17

154.6

8

161.0

8

160.8

18

159.8

8

153.0

8

152.8

18

153.0

9

160.4

9

161.0

19

160.6

9

154.0

9

152.4

19

152.6

10

160.6

10

160.6

20

160.8

10

152.4

10

153.8

20

154.0

平均

161.0

平均

160.6

平均

153.7

平均

153.8

最高

162.0

最高

161.0

最高

155.2

最高

155.2

最低

160.4

最低

159.4

最低

152.4

最低

151.6

偏差

0.6

偏差

0.4

偏差

0.8

偏差

1.0


表1.からもおわかりのように、任意で抽出した RWS ・ R10 ・ AP 弾・ 4.49/1 缶 500 発入りと、同じく任意で抽出した H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾・ 4.49/1 缶 500 発入りを比べると、重量的な均一性について言えば、RWS・R10・AP弾の方が圧倒的に優れている様です。( 500 発入りは、実際はどちらも 1 缶当り 2 〜 3 発多いようです。)
AP 弾の重量表示については、 RWS ・ R10 ・ AP 弾は缶のふたに重量の 0.45g が表示されていますが、 H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾には重量の表示がありません。

今回の計量で RWS ・ R10 ・ AP 弾は表示のとおり、ほぼ0.45gであると言えると思いますが、対して H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾は0.48g〜0.49gで、割合的にはおおむね0.48gであると言えると思います(0.48gが約64%)。

次の表2.は、その RWS ・ R10 ・ AP 弾・ 4.49 と H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾・ 4.49 を、表1.で重量計測した AP 弾を使用して、弾速の比較をしたものです。 
ちなみに弾速の測定には冒頭で述べました高性能のヴァインリッヒ社製弾速測定器( 25MC )を使用しました。
この弾速測定器はメーカーの工場出荷時の弾速チェックや、世界選手権やワールドカップなどの会場で、各メーカーのサービススタッフが、最終チェックをする際に弾速を計測する機器として多数のメーカーで使用されています。
当店でも、圧縮空気式空気けん銃 / 空気銃をオーバーホールした後、その高性能弾速測定器を使用して、メーカー出荷時と同じ規定の弾速調整をしてお引渡しさせて頂いております。
各銃器メーカーの出荷時の弾速はおおむね次のとおりです。

AR で 175 m / s〜 177 m / s
AP ロングバレルで 155 m / s〜 162 m / s
AP ショートバレルで 150m/s 弱

1発1発の弾速のバラツキについて、同じ条件で発射した弾速を比較すると、10発、20発 ( 連続 ) とも RWS ・ R10 ・ AP 弾のほうが弾速のバラツキが小さいようです。 表の最後の偏差の数値が小さいほどバラツキの度合いが小さい事になります。
簡易型の AR 弾速測定器 [ cb -625 など / 定価¥ 12,600( 税込 )] をお持ちの方であれば、当店で弾速を計測した銃をお引取り頂いた後に、その簡易型測定器を使って計測される弾速を、その測定器での弾速の基準として下さい。
これは、たとえば当店で測った AP の弾速が 160 m / sだったとして、お手持ちの弾速測定器の弾速が 170 m / sであれば、その 170 m / sを、お手持ちの弾速測定器の基準の弾速として見て頂いて、以後、その弾速より極端に遅いか速いか(± 20 m / s以上の差が出た場合など)で、問題の有無をご判断頂ければと思います。
弾速測定器の種類が違うと異なる弾速を表示する場合がありますが、これがその測定器ごとの弾速の誤差になります。
ヴァインリッヒのような精度の高い測定器で計測した弾速を基準にした方が、間違いないと思います。
表の弾速の平均値については、 RWS ・ R10 ・ AP 弾は、 H&N ・フィナーレマッチ・ AP 弾に比べて軽くなった分、速くなっているので、モリーニなど、ショートバレルのAPで弾速を上げたいと言うシューターの方にとっては打って付けの弾と言えます。
サイズが小さく、重量が軽いほど、弾速は速くなります。又、弾速が上がるほど、重量が重くなるほど反動が大きくなります。
弾速を上げることで反動が大きくなると言う問題が出てきますが、 RWS ・R 10 ・ AP 弾は重量が軽くなった分、同じ弾速であれば反動が軽くなります。つまり、マズルジャンプが抑えられる事になります。
これは、特にマズルジャンプを軽減する機能のあるアブソーバー付の空気けん銃の場合には更に威力を発揮することと思います。
又、逆に言えば少ない空気の消費量で弾速が出ますので、通常の弾速に調整すれば、シリンダー1回の充填量での発射可能な弾数が増えることになります。
まさに省エネ時代のエコ弾ですね。

例えば、重量弾と計量弾を同じ空気けん銃(ステイヤーLP 10 )で実射して撃ち比べてみると、グリップから伝わる感触、マズルジャンプは、やはり少しおとなしいように感じます。おとなしい分、フォロースルーがし易くなります。

次に、弾の仕上げについて、スカートの断面の比較の写真では分かりづらいのですが、現物を良く見比べると、スカートの内側の仕上げが、 RWS ・ R10 ・ AP 弾はスムースで非常に綺麗です。しかし、 H&N はと言うと、バリのようにも見える細かいスジみたいなものがやや見受けられます。これらのバリが、発射後、回転を与えられたことにより生ずる動バランスの乱れで、弾速や着弾に対する精度に、少なからず影響しているのではと思います。

弾速の偏差の数値も RWS ・ R10 ・AP弾は小さく、 H&NAP 弾は大きく出ているのは、1発ごとの重量の均一性のほかに、弾自体の仕上げの良さにも関わりがあるのでしょうか。

RWS・ R10 ・ AP 弾 ( 0.45g ) が発売された事により、現在発売されている競技用の空気けん銃弾及び、空気銃弾の中で、最も軽い弾(ハイスピード)であると言えます。
ちょっと RWS ・ R10 ・ AP 弾を試してみたい、これから RWS ・ R10 ・ AP 弾を使ってみようか、あるいは RWS ・ R10 ・ AP 弾に切り替えて見ようか ・ ・ ・と、等々お思いの方は本格的なご使用前に弾速調整をされますことをお勧め致します。
当店で販売しておりますサイズは、4.48、4.49、4.50 の3種です。
価格は今回のセール期間中、10缶で¥9 , 400(税込)とお買い得になっております。





 
2003-2005 (C) GINZA GUN LIMITED. ALL Rights Reserved.