#093 ('09/04/16)

ニュルンベルク・アルトシュタット 街歩き

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IWAの最終日の月曜日は、既に会場をあとにして何もないブースもありますし、営業しているブースも午後になると、ほとんどが撤収を開始し始めます。
今回は何かと忙しく歩き回っていたので、最終日に会場の雰囲気を伝えるための写真撮影を考えておりましたが、残念ながら歯抜けになったディスプレーの写真を撮影しても仕方がないと思い、ほんの数枚のみを撮影して帰ってきました。
その数枚の中の一枚ですが、ちょっと可愛い剥製が展示されていたのを見つけました。


剥製


右が狐で左が野兎です。
こうしてみると、兎は小さく可愛らしいイメージがあるのですが、狐よりも大きく見えます。

今年のIWAの会場は1ホール分展示フロアが拡大されたので、全てを回り切る事が出来ずに少々心残りでしたが、3時頃には会場を後にしました。

早々にホテルへ戻り、カタログや書類の整理を行い、夕食の時間まで約一時間半ほど空き時間がありました。
いつもならこの位の時間を利用して、ショッピングを楽しみます。
とは言っても、面倒くさがり屋の私はいくつものお店を回るのではなく、たった一軒のみデパートのカールシュタットを、訪ねるのみにしております。

このカールシュタットは、あのロレンツキルヒェ(教会)のすぐ近くにありますので、いつもこのロレンツキルヒェを目標にして歩き始めれば、迷うことなく辿り着く事ができるのです。
毎年、夕暮れ時か、夜にしか見る事が出来ないロレンツキルヒェを、久々に明るいうちに見る事が出来ました。


ロレンツキルヒェ


ロレンツキルヒェの壮大さに感激し、写真を何枚か撮影します。


ロレンツキルヒェの門


ロレンツキルヒェを正面に向き、左手を見るとカイザーブルク城の塔が見えるのを思いだし、左を向くと何故か引き込まれるように、カイザーブルク城を目指して歩き始めてしまいました。
この時には既に、お土産の事などすっかり忘れていましたね、ごめんなさい迫さま。


ロレンツキルヒェ前から見たカイザーブルク城



もうニュルンベルクに通い始めて、10年くらいになりますか。
まだ一度もニュルンベルクのシンボル的存在、カイザーブルク城へは一度も足を運んだ事が無かったのです。
そこで今回は特別に、『ニュルンベルクのアルトシュタット(旧市街地)街歩きレポート』をさせて頂きます。
(すみません、某国営放送局の私のお気に入り番組タイトルを、少しパクらさせて頂きました)

城下町であるニュルンベルクのアルトシュタットは、城壁に囲まれた小さな区域で、現在の市街地とは区別されているみたいです。


アルトシュタットの地図


時間が無かったので、寄り道を一切せずにまっすぐに @ ロレンツキルヒェからカイザーブルク城を目指します。
この通りがケーニヒシュトラーセ(通り)という、ニュルンベルク中央駅からケーニヒス門を抜けハウプトマルクト(中央広場)に抜ける、メインストリートになります。

ロレンツキルヒェから坂道を下るとすぐに、橋に差し掛かります。
この橋の右手に見えるのが、 A ハインリヒ・ガイスト病院でニュルンベルガーソーセージ、発祥の逸話が残る病院と聞いております。
現在はレストランとして、営業されていてもちろんニュルンベルガーソーセージも食べることが出来ます。


ハインリヒ・ガイスト病院



更に少し進むとすぐに、 B ハオプトマルクト(中央広場)に出ます。
屋台が立ち並び、とても賑わっています。
あのクリスマスマーケットで有名な広場です。


ハオプトマルクト



そのハオプトマルクトを見守る様に、壮大な C フラオエンキルヒェ(教会)が立ちはだかります。
ロレンツキルヒェとは、一味違った雰囲気が感じられます。


フラオエンキルヒェ


時計の針を見ると、5時6分前。
時間さえあれば、カラクリ時計を見ることが出来たのですが、ここは先を急ぎます。

カイザーブルク城の塔を探して歩くと、 D ハオプトマルクトの隅に美しの泉があります。
ここでは、願い事をすると願いが叶うと聞いております。
迫さまの幸せを願ってきましたが、もし叶えば本当にご利益があります、ここは。


美しの泉



ハオプトマルクトからカイザーブルク城を目指すには、急な坂道を登らなければなりません。
とにかく時間との戦いだったため、息を切らしながら登りはじめます。
するとすぐ左手に見えるのが、ガイドブックには必ず紹介されている、有名な観光スポットの E ニュルンベルガーソーセージ屋さんです。


ソーセージレストラン



まだ一度も入ったことがないので、次回は?などと思い、香ばしい匂いを嗅ぎながら前を通りすぎます。
でも「次回は絶対に無い」と言い切れる事態が、数時間後に起こりました。
詳細はまた後で。

すぐ右手に F ラートハオス(市庁舎)が見えます。
出入口のオブジェも見事なものです。


ラートハオス



また一段と、急激に坂道の勾配がきつくなります。
すると正面に、立派な銅像があるではありませんか。
G デューラーの像です。
私は何処の誰だから一切知りませんでしたが、帰国後に調べてみたら、有名な画家さんだったのですね。
この近くに、デューラーさんの家があるそうです。


デューラーの像



脇の小道を抜けていくとようやく、カイザーブルク城の塔がもう間近に見えます。


小道から見たカイザーブルク城



H カイザーブルグ城の下に辿り着けました。
高校生くらいの遠足かな?と思われる集団が居ましたので、落ち着くまでしばし休憩をしてから、お城の中へ入っていきます。


カイザーブルク城


門を潜り抜けると少々、迷路の様になっていますが、明るい方向を目指して歩いて行くと、アルトシュタットが一望できる広場に到着します。


カイザーブルク城の塔


もちろんあのロレンツキルヒェも、すぐに見つけ出す事が出来ました。


アルトシュタット


更に中へと続く入り口があるのですが、そこは門が閉鎖されておりました。
話に聞くところによると、そこから先は有料で、カイザーブルク城の塔にも登る事が出来たそうです。
仕方が無いことですが、もう5時半を回っております。
どうも営業時間が過ぎてしまった様で、塔に登ることは残念ながら出来ませんでした。


カイザーブルク城内


でも間近でカイザーブルク城の塔を見る事ができ、感激しました。
カイザーブルク城を通り抜け、反対側に出るとすぐにお堀と城壁があります。
更に先へ進むと、また妙な看板のあるお店も発見しました。
どうもビアガーデンの様ですね。


ビアガーデン


何とか目的も果たせましたので、帰り道に迷ってしまうといけませんので、来た道をそのまま寄り道もせず、まっすぐ帰ります。
もう夕方の6時になり、辺りはだんだん薄暗くなってきます。
ようやくホテルの近くの I バイザートゥルム駅まで戻ってきました。


バイザートゥルム駅


集合時間に少々遅れ、夕飯を食べに出ます。
私が数年前から気になっていたのにも関わらず、いつも満員で入れなかったドイツレストランがあります。
そのお店を訪ねると、今日はまだ時間も早かったためかお客さんも少なく、すぐにテーブルへ付くことが出来ました。


レストラン内


メニューを見ると、ドイツ語しか書いてありませんが、メニューの種類が「えっ、これだけ?」と思うくらい少なかったので、比較的容易に内容を理解することが出来ます。

黒ビールがこの町の、オリジナルビールとの事で、「とりあえず黒の生ビール」を注文し、メニューを見ながら何を食べようか?ゆっくり考えます。
食事はスープが2種類、ニュルンベルガーソーセージが3種類、あと1〜2品くらいありましたかな?
私は、ポテトスープともちろんニュルンベルガーソーセージを、注文しました。

いやぁ、出てきたソーセージと豚肉が最高のお味でした。
今までのドイツ料理は「食べられれば美味い方だ!」と思っていたくらいですが、ここのレストランは本当に「美味い!」と言葉に出るくらいのお味でした。
料理の量も日本人の胃袋には丁度良かったのが、嬉しかったです。
ここの美味さは、どうも炭火を使っていたからの様です。


レストランのグリル


ウェイトレスが二人に、中国人っぽいシェフが一人のこじんまりとしたレストランですが、きっとメニューの種類が少ないからシェフが一人でも捌ききれたのでしょう。
さぁこれで、ニュルンベルグのお気に入りレストランが一つ増えました、来年もまた楽しみにしましょう。
と言う訳で、 E のソーセージ屋さんはもう、どうでも良くなりました。

そうです、これがレストランの看板です。
ドイツ語をご理解いただける方は、読んでみて下さい。
創業1419年、世界で一番古い焼きソーセージレストランと書いてあります。
本当かなぁ??


レストランの看板





私たちの滞在したホテルも、歴史のある J ホテルの様です。


ホテル シュタイヒェレ


ホテルの一階はドイツレストランで、ワインとビールだけなく、この土地の伝統的なフランケン料理も、堪能できます。


フランケン料理


この丸い大きな玉はクロースと言い、すり潰したジャガイモを丸めて、中に肉を入れて団子状にした物を茹でた、フランケン地方独特の食べ物です。
大きさは大人の、握りこぶしより一回り大きいくらい。
初めて食べたとき「なんて不味いんだろう」と思いましたが、ドイツに行く回数も増えるにしたがってだんだん美味しく感じるようになったのは、不思議です。

ニュルンベルクの地ビールレストラン、トッヒャーブロイのすぐ近くにある、 K オペラハウスです。
ライトアップされて、とても綺麗ですね。


オペラハウス




ニュルンベルクはあの、総統も愛した街と聞いております。
やはり歴史があり、その当時の町並みが残る風景は情緒が溢れでています。
世界史などまったく興味の無い人でもきっと、一度でも滞在すればその街の歴史を知りたくなると思います。
もしニュルンベルクを訪れる方がいらっしゃるなら、このコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。

最後になりますが、私がこれらの写真を撮影している時は、人通りは多かったです。
カメラを据えている私を見て、歩行者の方たちは必ず立ち止まって、私が写真を撮り終えるのを待っていてくれました。
その心遣いに感謝して「Danke」と声を掛けると皆、ニコッっと微笑を返してくれたのが印象的でした。
レストランの中での写真撮影も、快く許可してくれました。
ニュルンベルクの皆さん、本当に有り難う御座いました。





K

 
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