#101 ('11/06/08)

IWA2011 フォトギャラリー

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新製品紹介も終わりやっと一息ついておりますが、当店では取り引きの無いメーカーや、取り扱いをしない商品などで、私の専門外ではありますが、ご紹介したい物がたくさんあります。
その中で新製品紹介ではありませんが、IWAの会場を歩き回り、気になった展示物を写真撮影してきましたので、皆さまにもご覧いただければと思い、この場をお借りしてご紹介をさせて頂きます。



【カール・ワルサー】

本来なら「ウマレックス」と紹介すべきですが日本で、初めて銃に興味を持った幼い頃のワルサーといえば、やはりこの銃がワルサーの代名詞になると思います。


ワルサー P-38


アニメの主人公の愛銃なので、日本では知名度抜群です。
左側から古い順番に並んでおります。
右側の銃は最近のものなので、画像が切れておりますがご了承下さい。

1886年創立のカール・ワルサーも、今年は125年記念のようです。


ワルサー社の歴史


簡単な説明がドイツ語で書かれておりますので、興味のある方はドイツ語の辞書を片手に読んでみてください。

私が射撃を始めた高校生のころ、自分自身で所持許可を取得し、所持する事ができるワルサーの銃と言えば、やはりこの銃だけでした。


ワルサー LGR


最新式のLG-400と並べられて展示されている銃は、ポンプ式のLGRです。
昭和50年代は、競技用空気銃といえばまだ、スプリング銃が主流でした。
そのスプリング銃全盛時代当時から、ポンプ式空気銃を競技用として作っていたのは、ワルサー社のLGRだけでした。
しかし「故障が多い」「ポンピング操作が重い」と、敬遠されがちでした。

スプリング銃の時代は、現在では当たり前になった「オーバーホール」なんて言葉は、まったく知らない時代でした。なぜなら当時のスプリング銃は頑丈で、スプリングが折れても弾が発射できるくらいだったからです。
現に今でも、ファインベルクバウのスプリング銃を持っている方は「購入して30年以上経つけど、初めて銃が壊れました。修理できますか?」と、当店に銃を持ってくる方が未だに、年に3人くらいはいらっしゃいます。
もちろん現在でも修理は可能です。

1984年のロサンゼルスオリンピックで、ファインベルクバウのポンプ銃がデビューをしてから、ポンプ銃の世代に完全に切り替わり、空気銃のオーバーホールの重要性が世の中に浸透してきました。
私の記憶では、ロサンゼルスオリンピックでファインベルクバウのポンプ銃M600を使用していたのは、確かノルウェーのハラルド・ステンバーグだったのでは?と記憶しております。彼はまだ、現役の選手です。

もし昭和50年代に「空気銃のオーバーホール」という言葉が射撃界に浸透していれば、LGRの評価は「壊れ難く撃ち易い銃」ということになっていて、もっと世の中に出回っていた空気銃になっていた事でしょう。

その当時のワルサー社のトリガーの切れ味はとても良いと言われており、他社の銃とは少し違う引き味でした。
この引き味を忘れられない人は、未だにGX-1のスモールボアライフルを使っている人もいるくらいです。
ちなみにGX-1の呼び名は、ヨーロッパでは通じません。ヨーロッパではKKマッチと呼ぶそうです。


カール・ワルサーも経営のトップがウマレックス社になり、ホビー的な用途の銃が多くなってきました。
ブースの中央に大きく、コルトやヘッケラー&コッホが並んで展示されております。


ワルサー社に展示されているコルト



ワルサー社に展示されているヘッケラー&コッホ


よく見ると全て、スモールボアライフル弾を使う銃です。
この手の銃は、ホビーシューティングに使われるのか、それとも警察などが訓練用として使うのかわかりませんが、ブースの中央の一番目立つ場所に展示されていたので、需要は大きいのだと思います。



【カール・ツアイス】

カール・ツアイスも創業165年も経つのでしょうか?
さすが世界のカール・ツアイスです。歴史を感じさせてくれます。
博物館にあってもおかしくないようなコレクターズアイテムが、ショーケースに並んでおります。


ショーケース


このショーケースの前には常に、数人のご老体が鎮座し、なかなか写真撮影をする事ができませんでした。
ちょっとした瞬間を逃さず、慌ててシャッターを切ってきました。
ショーケース内の左にある本は、カール・ツアイスのブースで販売されていたようです。
写真撮影をしているとショーケースの横で、営業をしている方が私に話しかけてきました。

本の表紙にカール・ツアイスのロゴマークが入っていますが、JENA(イエナ)の文字が入っているのに気が付きましたか?
そうです、年配の方ならみなさんご存知と思いますが、現在のカール・ツアイスとは違うのです。
JENA(イエナ)は旧東ドイツ側にある街で第二次世界体戦後、現在の旧西ドイツ側にあるカール・ツアイスと分断してしまったそうなのです。
十年ほど前までカール・ツアイス・イエナの社名が存在しましたが、現在の社名はドクターに変わっております。

このショーケースの中に、一点だけ気になったものがありますので、近づいて撮影してきました。


蟹目


この手の光学機器の正式名称は、なんて呼ぶのでしょうか?
年配の方がよく「蟹目」と呼んでいたのを覚えています。
現在のレンジファインダーの役割をする物でしょうか?



【ユニーク・アルピナ】

当店でも以前、輸入販売をしていたフランスのユニーク社の製品です。
ユニーク社は十年ほど前に会社をたたみましたが、数年か前から再び「ユニーク・アルピナ」の名前でブースを出すようになりました。

アンシュッツ社の新型アルミストック、プレサイズに乗った大口径のフリーライフル銃があったので、写真を撮ってきました。


ユニーク社の大口径フリーライフル


大口径射手にとっては、アンシュッツ社のストックにバレルドアクションが乗っていると、とても安心感があります。
機関部のデザイン等は当時から変わっていないように見えますので、当店が販売していた頃と変わりがなければこの銃は、スペアバレルがあれば誰でも簡単にバレル交換が出来る、社名のごとくユニークな設計の銃なのです。



【エレー】

会場を歩いていると、どこかで見た事のある人がポスターになっているではありませんか。


エレー社のポスター


実はポスターだけでなく、エレー社のカタログの表紙にもなっているのです。
日本人選手がメーカーのポスターになったり、メーカーのカタログの表紙を飾ったり、日本人にとっては嬉しい限りです。
今後、この様なことは二度と無いかも知れません。
いやいや、次に続く選手がドンドン出てきて欲しいものです。
噂によるとこの写真のモデル料は、ジャージ1枚だけだったとか…


また他のメーカーのブースでは、有名選手が居て、ゲストの対応をしているブースもあります。
日本人選手もIWAの会場に進出する時代が来る事を、期待したいと思います。



【ドイツ射撃協会】

毎年、IWAの会場にブースを出しておりますが、紹介するのは今年が初めてです。
今年は創立150周年記念だそうで、やはり射撃大国ドイツは、歴史がありますね。


ドイツ射撃協会のブース


ドイツ射撃協会はクレー射撃やハンティング、そしてアーチェリーも含むと思いますが、協会のスタッフはなんと40名も在籍しているそうです。
さて日本ライフル射撃協会の歴史はどのくらいでしょうか?またスタッフは何人いるのでしょうか?



【アメリカのメーカーのブース】

IWAの会場は昨年度からホールが一つ増え、ローエンフォースメント部門が大きく加わりました。
その影響か、今まではIWAにはまったく姿を見せなかったアメリカのメーカーが、数多く出店をしておりました。

レミントン社などは以前から出店をしておりましたが、いつも小さなブースで酷いときなど銃を展示せず、ブースの真ん中にカタログだけ置いてあるだけなんてこともありました。
アメリカのメーカーが数多く、IWAに出店し始めたのは、何か理由でもあったのでしょうか?

・ダコタ・アームズ

ウィンチェスター Mod.70のプレ64タイプの機関部をコピーし、カスタムライフルを製造しているメーカーです。


ダコタ・アームズ


アメリカのカスタムメーカーと言えば、派手な銃が多い中、ダコタ・アームズはヨーロッパテイストな落ち着いたカスタムライフルを製作しています。
写真下の銃は機関部の前に、ストックの切込みがあるので、きっとテイクダウンだと思います。
写真左のポスターになっている銃は、軽量のアンダーレバー式シングルショットライフルライフルです。
機関部が小型化されていますがとてもタフな銃なので、大口径マグナム弾を使用するビッグゲームハンターの間では、人気がある銃です。

・HSプレッション

米軍のスナイパーライフルのM24を供給している事で、有名なカスタムメーカーです。


HSプレッション


以前のHSプレッション社のカスタムライフルは、銃身とストックは自社製品を使い、機関部はレミントンM700のアクションをカスタマイズして、カスタムライフルを販売しておりました。
最近は自社製の機関部を使用したモデルもありますが、かなり高価になります。

小さなブースではありますがヨーロッパでも知名度は高いようで、常に人だかりが出来ておりました。


・ナイトフォース

以前は日本で製作されていたと聞いている、スコープメーカーです。


ナイトフォース


現在はどこの国で生産されているのでしょうか?
カタログ上には Made in U.S.A と表記されていました。

私個人的にはやはり、光学機器はアメリカ製よりドイツ製を選びます。
あくまでも個人の趣味です。

・トリジコン

トリチウムの発光体をレティクルに使った、光学機器メーカーです。


トリジコン


バッテリーによるイルミネーションより、もちろん長持ちします。
発光しなくなっても、カートリッジを交換したら再び発光するらしいです。



次はアメリカのブースではありません、ドイツの有名銃砲店のチェーン店である、フランコニアのブースに飾ってあったものです。


フランコニアのブース


アンティーク銃に興味のある方は、後ろの壁に飾ってある銃の方が面白かったかな?と、写真を確認して今更ながら気が付きました。
ちゃんとした写真を撮ってきておりませんでした、申し訳ございません。



銃以外にも面白い被写体がたくさんあるのですが、今年は剥製を何枚か、撮影してきました。
私には説明する事が出来ませんので、写真のみご覧下さい。


剥製1



剥製2



剥製3



剥製4



剥製5



剥製6


この最後の写真はここ数年、毎回写真を撮ってきております。
毎年少しずつ、剥製が増えております。
今年は左側のキツネがさげている、袋の仲に何か入れております。
来年はいったい何の剥製が増えるのか、今から楽しみにしております。


このコラムを書いていて写真を見直している最中に、一個だけ紹介を忘れていた新製品を見つけました。
最後になりましたが、ご紹介をさせて頂きます。



【ポール・クリーン】
イタリアのメーカーの、クリーニングパッチです。
最近はパッチより、VFGのクリーニングフェルトを好んで使用する方が多くなってきております。
理由は、パッチはクリーニングをする際に、銃身内を往復できないからです。
ただフェルトを使用するとフェルトのカスが出るので、私はあくまでもパッチを使用しております。

銃身の掃除は本当に面倒なので皆さん、なるべく手を抜こうと考えていると思います。
私も考えています。
しかし銃身のクリーニングを怠ると、銃身の命中精度が落ちるだけでなく、銃身寿命が加速度的に早くなってしまいます。
銅ブラシを通すのは面倒だし、ソルベントを使えば手が荒れるし、ソルベントが漏れて銃ケースの中が臭くなったりなんて経験をした方は、多いと思います。
そんな面倒くさがり屋さんに使ってもらいたいのが、このポール・クリーン社のこのパッチです。


ポール・クリーン


ポール・クリーン社のうたい文句は、次の通りです。
・ブラシ不要
・オイル不要
・手が汚れない
・臭わない

特殊な形をしているパッチは、銃身内部との接触面を増やすために考えられた、特殊形状です。
写真中央部の紙箱に入っているロール状になっているパッチは、一般的なドライパッチで商品名は「ロールパッチ」す。
写真下のビニールに入っているパッチは、写真右の缶に入っているウェットパッチで、商品名は「OIL」です。
この他にカッパーリムーバー用のウェットパッチで「ONE」があります。

もし本当にパッチだけで、カッパーリムーバーの役割を十分果たすのであれば、銃身クリーニングの手間と時間を省ける、夢のような商品になります。
サンプル品はオーダーをしましたので、入荷するまで待つ事としましょう。

でもやっぱり、銃身のクリーニングは銅ブラシを通さないと、私の気がおさまりません。


さてIWA2011のレポートは、これで終わりとさせて頂きます。
「IWA2011 新製品紹介編」でご紹介した物で、早速ご予約いただいた商品も何点かございました。
新製品ゆえに入荷が遅れており、ご迷惑をお掛けしております。

時間があれば、また入荷した時にでもレポートできれば?と思っております。

有難うございました。





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